真央の復調は!? 宇野が初Vに近づく 全日本フィギュアは男女とも激戦に

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気になるのは浅田の状態だ。ケガの影響もあり不本意な結果に終わったGPシリーズからの巻き返しを狙う 【写真:ロイター/アフロ】

 フィギュアスケートの全日本選手権が12月22日から25日にかけて、大阪の東和薬品RACTABドームで開催される。今大会は来年行われる世界選手権や四大陸選手権など国際大会の選考会を兼ねており、優勝だけではなく、誰がその出場権を獲得するかにも注目が集まる。男子は4連覇中の羽生結弦(ANA)がインフルエンザにより欠場。どの選手が優勝しても大会初制覇となる。女子は宮原知子(関西大)が2連覇中と強さを誇っている。彼女の牙城を崩す選手は現れるのか。ケガの影響もあり、グランプリ(GP)シリーズでは不本意な結果に終わった浅田真央(中京大)の状態も気になるところだ。

3連覇を狙う宮原に続くのは

宮原はGPファイナルで2年連続2位に輝いた。3連覇が懸かる今大会も優勝候補の筆頭だ 【写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ】

 全日本選手権2連覇中、今月のGPファイナルでも自己ベストを更新(218.33点)し、2年連続2位に入った宮原が、女子の本命なのは間違いない。「ミス・パーフェクト」と呼ばれるその演技は、文字通り抜群の安定感を誇る。NHK杯のショートプログラム(SP)では珍しくジャンプで転倒したものの、フリースケーティング(FS)できっちり修正。「自分は緊張するタイプ」と言いながら、プレッシャーのかかる大舞台で自分の実力を発揮できる精神的な強さは、彼女の持ち味でもある。課題としていたジャンプの回転不足も、GPファイナルでは1回しか取られなかった。

 シーズン前半の調子を見る限り、その宮原に続くのは、15歳の樋口新葉(日本橋女学館高)か。今季はシニアのGPシリーズに初参戦し、フランス杯でいきなりの3位表彰台。NHK杯でも4位に入り、その力がシニアでも通用することを証明した。樋口自身は「まだまだジャンプのミスが多い」と課題を挙げている一方で、「表現の部分はだいぶ良くなっているので、このまま継続して練習していければ」と、収穫もつかんでいる。一昨年は3位、昨年は2位と順位を上げているだけに、今回は初の優勝を狙いたい。

 樋口と同じく初のGPシリーズ参戦ながら、スケートアメリカで3位に入ったのが三原舞依(神戸ポートアイランドクラブ)だ。ジャンプに安定感があり、スピンやステップにも定評がある17歳は、昨年は病気により棒に振った全日本選手権で上位をうかがう。

浅田の本領発揮に期待

これまで幾度となく崖っぷちに追い込まれながら、そのたびに復活してきた浅田。本領発揮に期待したい 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 10代の彼女たちとは対照的に、26歳の浅田は正念場を迎えている。休養からの復帰2年目となった今季、浅田は左ひざ負傷の影響もあり、スケートアメリカ6位、フランス杯ではGPシリーズ自己ワーストとなる9位に終わった。代名詞のトリプルアクセルはプログラムに入れることすらできず、3回転ジャンプも跳ぶのがやっとの状態。フランス杯の演技後は「すべてが失われた。スケーティングもジャンプも、全部がしっくり来ていない」と、涙に暮れた。

 そこから1カ月以上が経過し、どこまで練習で追い込めているか。本調子であれば実力は文句なしにトップクラス。トリプルアクセルに挑むかどうかは定かではないが、ベテランならではの表現力とスケーティングで、演技構成点を確実に取っていけば、優勝争いに加わることは十分に可能だろう。これまで幾度となく崖っぷちに追い込まれながら、そのたびに劇的な復活を遂げてきただけに、浅田の本領発揮に期待したい。

 他にもGPシリーズでは精彩を欠いた村上佳菜子(中京大)や本郷理華(邦和スポーツランド)といった有力選手から、昨季の世界ジュニア女王・本田真凜(関西大中・高スケート部)や、11月の全日本ジュニア選手権を制した坂本花織(神戸FSC)といった期待のホープまで、女子は多士済々な顔ぶれがそろった。優勝争い、各大会の代表権争いは激戦が予想されそうだ。

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