【RIZIN】“Mr.女子プロレス”が最強女子に挑戦 神取忍「ギャビの心を折ってやりたい」

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最強女子・ギャビとミスター女子プロレス・神取の対戦が決定 【スポーツナビ】

 年末の格闘技ビッグイベント「RIZIN FIGHTING WORLD GP 2016 無差別級トーナメント 2nd ROUND / FINAL ROUND」(12月29日、31日/埼玉・さいたまスーパーアリーナ)の追加対戦カードが発表され、“霊長類ヒト科最強女子”ギャビ・ガルシアの相手が、“ミスター女子プロレス”神取忍に決まった。

 26日に行われた記者会見で榊原信行実行委員長は「今年の夏頃、年末のギャビの対戦相手を考える中で、神取さんから興味あることを伺った。まずは9月の大会を観に来てもらい、ギャビの試合を間近で観てもらいました。試合後、神取さんが『全然勝てる』と話されて、ギャビとやらせて下さいと対戦要求がありました。神取さんのチャレンジャー精神、何にでも立ち向かっていく姿に敬意を表し、この大みそかに驚天動地のカードを決めました」と経緯を説明した。

 このカードに対しギャビは、やや不満顔で「そもそも何故、神取さんが私の対戦相手になるのかはよく理解できない」と心情を吐露。それでも「リングの中では対戦相手が誰であろうと、男であろうが女であろうが、私の母親であろうが、これが私の仕事なので、リングで戦う以上は殴ります」と手加減なしだと話した。

 一方、すでにガウンを身にまとい臨戦態勢である神取は「とにかく目の前に強いものがいたら、とにかく倒す。そういう気持ちは忘れていません」とチャレンジスピリットが点火済み。「私は“心を折る”という言葉を使っていますが、ギャビの心を折ってやりたい」と、余裕の表情を見せるギャビに対し、“ミスター女子プロレス”の怖さを示すと意気込んだ。

 2人の試合は31日に組まれることになり、体重契約なしのRIZIN女子MMAルール5分3ラウンドの形式で行われることになる。

 以下、会見でのコメント。

榊原委員長「驚天動地のカード」

「何故、神取さんが対戦相手になるのか理解できない」と不満顔のギャビに対し、神取はすでに怪気炎を燃やす 【スポーツナビ】

榊原実行委員長
「今年の7月、8月といった夏頃、年末に向けてギャビ・ガルシアを誰とやらせるべきかを考える中で、関係者の方から、神取さんが興味あるそうですと伺いました。私的には体格的にどうかなと思ったのですが、まずは9月の大会を観に来てもらおうと招待させて頂きました。そしてギャビの試合を神取さんに間近で観てもらいました。
 試合後、神取さんが控え室に来られて、非常に明るく、さわやかに、『やります』と。全然勝てると話されて、『ギャビとやらせて下さい』と9月のさいたまスーパーアリーナのタイミングで神取さんの方から対戦要求、出場へのGOサインを頂きました。

 そこからギャビにも話しました。神取さんは1995年の女子総合格闘技の「L−1」、PRIDEが始まるより先にMMAに挑戦し、グンダレンコ(・スベトラーナ)には負けましたが準優勝でした。女子格闘技のパイオニアとして、神取さんの名前が刻まれています。ですので、もっとも近代のMMAの草分けは神取忍にあるのではと思いますし、それが女子プロレス界の中にいるということに驚いた次第です。
 神取さんのチャレンジャー精神、何にでも立ち向かっていく姿に敬意を表して、この大みそかに、驚天動地のカードを決めさせてもらいました。

ギャビ・ガルシア
「私は今まで、年末の対戦相手が誰になるのか待っていましたが、こういう発表になりました。そもそも何故、神取さんが私の対戦相手になるのかはよく理解できないです。ほかに私と戦う資格がある選手はいるのではと思うのですが、まあ試合は決まったことなのでやります。

 リングの中では対戦相手が誰であろうと、男であろうが女であろうが、私の母親であろうが、これが私の仕事なので、リングで戦う以上は殴ります。私は日本が大好きですし、日本の文化もすべてリスペクトしています。もちろん彼女のこともリスペクトしていますが、私は人の顔を殴るために生まれてきたと最近思っているので、彼女は私を倒す自信があるとおっしゃっていますが、それがどこから来るのかまったく分かりません。冗談なのかと思っています。ただし、社長から試合が組まれたと言われたので、私は社長のことを尊敬していますし、言われたことはやります。

 そして試合当日、彼女はギャビ・ガルシアがどんな人間なのかを思い知ることになるでしょう」

神取忍
「このカードを組んでいただきありがとうございます。自分も柔道を背負って戦ってきて、プロレスを背負って戦ってきて、とにかく目の前に強いものがいたら、とにかく倒す。そういう気持ちを忘れていません。

 その中で、女子最強と言われているこの選手。当然、手を挙げる人間がいないのなら、私が手を挙げます。ギャビが強いと言われていますが、私にとってはこの選手よりも大きい選手と戦ってきて、男子とも戦ってきて、規格外の選手と散々戦っています。それと比べると、何の恐れることもありません。負ける気持ちもありません。
 私は“心を折る”という言葉を使っています。ギャビの心を折ってやりたいと思います」

神取「挑戦と勇気。すべての人に伝えたい」

余裕の表情を見せるギャビに対し、睨みを利かせる神取。実際のリング上ではどんな表情を見せるか 【スポーツナビ】

【記者との質疑応答】

――両選手に。それぞれの印象は? どんなメッセージを送りたいか?

ギャビ 対戦相手がチャレンジ精神を持って臨んでくるのは気に入っています。私はチャレンジする人が好きなので。実際、私は今、体重を落として、少しでもハンデを少なくしてあげようと、朝6時半に起きています。ですので、大会当日は体重差はそれほどないかなと思います。
 そしてさいたまスーパーアリーナ(SSA)で試合をしますが、SSAは私のホームだと思っています。これは私の舞台です。私は自分のホームで戦うつもりでいます。今のうちに謝っておきますが、私と戦う資格があるかどうかは置いておいて、同じリングに立つ以上、あなたの顔を思い切り殴りにいきます。先ほども言いましたが、家族であろうが、女だろうが、男だろうが、リングに立つ以上はリスペクト抜きで殴りにいきます。

神取 私はいつも本能で戦います。そういった中で、今日、初めてアイコンタクトしましたが、全然、気迫がありません。思っていた以上に、威圧感がありません。逆にがっかりしています。
 RIZINの女子の試合は確かに盛り上がって面白くなっていっていると思います。けれども私の中では、まだまだ面白くないと思います。この試合を通じて、さらに面白い試合をしていきたいと思います。あと、殴ると言われても、散々顔面を壊されてきているので、何の怖さもありません。逆に、その恐怖心を与えたいと思います。

ギャビ (神取の『威圧感が無い』というコメントに対し)私は今日は人を威圧するために来ていません。私はリングの外だと普通の女の子で、化粧もするし、ネイルだってするし、今日もキレイでしょ? リングに上がったら、びっくりしますよ。

――神取選手に質問。RIZINに興味を持ったきっかけは? また現在のトレーニングやコンディションは?

神取 自分の場合、何十年も前から女子格闘技に関わっていて、RIZINは去年復活されて、その中で女子の戦いに注目されているということも含めて、ギャビという存在が現れました。そういったところで、RIZINとギャビを含めて興味を持ちました。
 練習に関しては、昔と違って、昔のようなトレーニングをしたらパンクします。しかし今は科学が進んでいる中で、科学的なトレーニングというもの、それこそ若い頃は追い込むために何時間もトレーニングをしましたが、そういう練習ではなく、1時間の中でもコンディションを整え、スパーリングを含めたトレーニングをしています。

――神取選手に質問。今回の試合はチャレンジという部分が大きいと思いますが、この姿をどんな選手に見てもらいたい?

神取 最初のあいさつでも言いましたが、私の挑戦、挑戦するための勇気。その2つのキーワードで、今までも戦ってきましたが、これからも戦っていきます。レスラーもそうですが、すべての方々にそれを伝えたい。それは生きていく中では、最も必要なものだと思うので、それをメッセージとして送りたいです。個々の選手ではなく、すべての人に伝えたいです。
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