ハリル「大きな仕事を成し遂げたい」 W杯最終予選 オーストラリア戦前日会見

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オーストラリア戦を前に「大きな仕事を成し遂げたい」と語ったハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は11日、メルボルンのドックランズスタジアムでワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第4戦となるオーストラリア戦に臨む。試合を翌日に控えた10日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見を行った。

 3試合を終えて、2勝1敗の日本はグループBで4位につける。ハリルホジッチ監督はグループ首位に立つオーストラリアを「アジアで最も強い相手」と警戒する一方で、「どのチームにも弱点はある。オーストラリアが最強だとしても、われわれは大きな仕事をするためにしっかり準備をしたい」と語った。

 また、チームの現状について聞かれると「チームは常に向上を続けるわけではなく、まだまださまざまなことが起こる」と語ったうえで、「イラク戦で本当に強い気持ちを見せてくれたのはうれしかった。日本にはそれができるので、私は不安ではない」と選手への信頼をうかがわせた。

大きな仕事を成し遂げたい

 みなさん、コンニチハ。非常によいテストだと思う。今のところアジアで最も強い相手と対戦するわけだが、(オーストラリアは)しっかりオーガナイズされており、クオリティーのあるチームだと思う。ただしどのチームにも弱点はあるわけで、オーストラリアが最強だとしても、われわれは大きな仕事をするためにしっかり準備をしたい。

──香川真司はスタメンに入っているか?(外国人記者)

 明日になれば分かる。

──オーストラリアにも弱点があると言うが、どういうところにそれを感じるか。(オーストラリア記者)

 かなり正確な答えを要求していると思う。彼らもわれわれの弱点を探しているだろう。オーストラリアは良いチームでクオリティーもあり、特にパワーとオーガナイズと規律がある。各チームに弱点はあるが、それについては選手にも伝えたし、明日のためにしっかり準備してきた。

──明日は相手が前に出てくると思うが、それは日本にとってやりやすい状況か?(小谷紘友/フリーランス)

 われわれはこれまでの予選でかなり(ボールを)支配してきたが、オーストラリアは高い位置でプレスをかけてくる可能性がある。海外でプレーしている選手が多いので、フィジカルもかなり強い。しかも彼らのホームだ。ホームの場合、いつも以上にプレッシャーをかけてくる傾向がある。

 今のところ、われわれはこういうシチュエーションを経験していないが、びっくりしないように選手には伝えてある。今の時代は(スカウティングによって)、お互いのことを知り尽くしているので、お互いに大した驚きはないのではないかと思う。このような試合は小さなこと、集中力とかラッキーなことも必要だし、それらが試合を決めることもある。本当に厳しい試合になると思う。心理面についても選手には準備をさせている。明日は、われわれの選手がどのようにプレーするのか早く見たい。

──前線で呼べなかった選手がいたり、DFが離脱したり、岡崎慎司がけがで練習できていないが、これは監督にとって苦しい状況なのか。それとも新たな可能性を示すチャンスと捉えているのか?

 フィジカル面ではより良い状態になっていると思う。イラク戦でもわれわれは速く走れたが、爆発的なスピードは足りていなかった。いない選手に関してはもちろん(チームにとって)ハンデとなっているが、メディアの皆さんがいう「言い訳」をするつもりはない。私は困難だとは思わないし、選手はしっかり準備してくれている。勇気と勇敢さをもって、この大きな仕事を成し遂げたい。2試合目はいつも、フィジカル的に良い状態になっている。

日本が一番強いというわけではない

──最近、日本代表が批判されていると聞いているが、それはフェアなことか、それともアンフェアか?(外国人記者)

 勝利しても批判されるが、私は誇りをもって受け止めている。その質問は皮肉にしか聞こえないが、移動による疲労や時差ボケもあった。48時間後にそれらは消えているが、トップのコンディションにもっていくのは容易ではない。それを承知でやっていくしかない。それでも勝利してきたことについては誇りに思っている。

 フットボールでこのような展開をなかなかしてこなかった。われわれは前回、勇気でもって勝利したが、これは日本にとって新しいことだったかもしれない。そして勝利しても、喜ぶ人は少ないのかもしれないが、そのことに対しては「ごめんなさい」と言うしかない。何人かの人は日本が一番強いと思っているが、そうではない。

──この試合を前にサイドバックが2人(酒井宏樹は累積警告、長友佑都は練習の際のけがにより)離脱したが、明日の試合での人選をどう考えているか?(大住良之/フリーランス)

 最初のリストを皆さんに公開したとき、けがとカードについては予測しているとお伝えした。そのために2人余分に呼んでいる。ただし、もう2〜3人必要だったのかもしれない。しかし、大したことはできない。他のソリューションを探さなければいけない。よりよい選択をしていく。チームを信頼しているので、われわれが難しい状況であっても、メンタルは良くなっているので勝利するしかない。アジアチャンピオンと対戦するのだから、モチベーションと気持ちをもって大きな仕事を成し遂げるよう、それぞれがそういった気持ちを持たなければならない。

目標は最終予選を突破すること

ハリルホジッチ監督は「目標は最終予選を突破すること」と語った 【スポーツナビ】

──昨年の同じ時期にイランのテヘランで質問したとき、「メディアやファンの人たちは待てないが1年後、2年後になれば違ったものを見せられる」と言っていた。本大会での最終型を見据えたところで、チームの現状をどう考えているか?(河治良幸/フリーランス)

 まず、不正義による敗北(9月のUAE戦)がひとつあった。日本への見方がそのことで変わってしまったが、代表監督は合宿の2日間でいろいろなことをやらなければならない。そして今起こっているのは、キーとなる選手の(所属クラブでの)試合数が足りていないことだ。それがわれわれのゲームのクオリティーに影響している。ただ、そうは言っても、アジアのどのチームよりも決定的な場面を作っている。もちろん、われわれにも弱点はある。

 われわれのプレーには、フィジカルコンディションが非常に重要だ。どこまで伸びるのかという予測はまだできない。キーとなる選手に、いろいろなものが足りない状況だからだ。最初の試合、そして2試合目についても、われわれが期待しているほどのレベルになっていない。私の主な仕事は、まずこの合宿の2日間でフィジカルを調整しつつ、勝利できるチームを作ることだ。常にオフェンスの連続プレーを向上させることはできない。前回のイラク戦でもそうだった。オフェンスの組み立て、つなぎのところで大したことができなかった。ただ、そうは言っても6〜7回は決定的なチャンスを作っていた。ただ、大事なことは勝利することだ。

 目標は最終予選を突破することだ。そしてチームは常に向上を続けるわけではなく、山あり谷ありなので、まだまださまざまなことが起こる。ただ、1試合目(イラク戦)に関しては本当に強い気持ちを見せてくれたのはうれしかった。私にとってはそれがうれしいことだった。日本にはそれができるので、私は不安ではない。

 1年前、この状況が分かっていたら──つまり、海外組15人のうち12人がスタメンで出ていないという状況が分かっていれば……。私はプレーしている選手を選ばなければならないと思っていた。(通訳が終わらないうちに退席)

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