開幕からローテーション守る前田健太 フル回転の活躍でドジャースは地区V目前

鈴木良枝

開幕から先発ローテーションを守り、チームの躍進に貢献している前田 【Getty Images】

 9月21日(現地時間)、本拠地ドジャー・スタジアムで前田健太は今季30試合目の先発マウンドに上がった。同地区のライバル、サンフランシスコ・ジャイアンツとの首位攻防の第3戦。このシリーズは両チームとも「最も大事な3連戦」と位置付けていた。

 第1戦はクレイトン・カーショー(ドジャース)とマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)とのエース対決。7回までバムガーナーに1安打に抑えられていたドジャース打線が、9回にジャイアンツ投手陣を攻め、2−1で劇的サヨナラ勝ち。第2戦も接戦となったが、少ないチャンスをものにしたジャイアンツが2−0で雪辱した。

 そして1勝1敗で迎えた第3戦。前田は初回、先頭打者に四球を与え、パスボールで進塁されると、あっさりと先制点を許してしまう。しかし後続を2連続三振に抑え、1点でしのぐ。するとその裏、ドジャースが打者一巡の猛攻で一挙5点を奪い逆転。前田自身もタイムリーヒットを打ち得点に絡んだ。2回表にはソロ本塁打を浴び1点失うが、それ以降は、ランナーを出しても追加点を許さず、ドジャースが9−3で勝利。前田は5回を3安打2失点(自責点は1)で勝利投手となった。これで今季16勝(9敗)とし、球団新人最多勝記録の17勝まであと1勝と迫っている。

 試合後「立ち上がりは制球が定まらず、簡単に得点されてしまったが、味方がすぐ逆転してくれたので、なんとか点差を守ろうと思って投げていた。チームに助けられて16勝までくることができた」と前田。

 大事な一戦で、しっかり試合を作り結果を残す。優勝争うチームにはこういう存在は欠かせない。

 これでドジャースの優勝マジックは「5」となり、2位ジャイアンツに6ゲーム差をつけた。早ければ今週末にも地区優勝が決まるかもしれない。

離脱者続出の先発陣を支えたマエケン

 シーズン前の予想では、この地区は投打にバランスのとれたジャイアンツが有利と見られていた。予想通り、ジャイアンツは2位に6.5ゲーム差をつけて前半戦を折り返す。

 ドジャースは、カーショーという絶対的エースはいるものの、昨季19勝6敗、防御率1.66の成績を残したザック・グリンキーが移籍。前田やスコット・カズミアー を獲得し、先発できる投手を補強した。しかし先発候補だったブレッド・アンダーソン、柳賢振、ブランドン・マッカーシーらが開幕に間に合わず、開幕時に先発ローテーションを担っていたカーショー、カズミアー、アレックス・ウッドは故障離脱。何人かのルーキー投手に先発させるも、不安定な内容や故障で長続きはせず、先発投手不足という異常事態となっていた。

 その中で唯一、開幕から1度も先発ローテションを外れることなく投げ続け、勝利を重ねている前田の存在は絶大だ。

「前田がいなかったら、ドジャースは今の位置にはいないだろうね。ドジャースは前田を獲得できて本当に良かったと思っているだろう。サラリー以上の働きをしているからね。そして彼にとっても結果を残して頑張った分だけ報酬が得られるので悪くはないだろう」
『オレンジ・カウンティ―・レジスター』のビル・プランケット記者はそう語る。

 入団前の身体検査で懸念材料が見られ、異例の出来高制という契約。その前田が、今や優勝争いを繰り広げるチームの柱となっている。現地メディアは、メジャー1年目で先発ローテションを守り、チームに勝利をもたらす前田の仕事ぶりを好評価。

「揺るがない頑丈な右腕は、故障者続出の先発陣のなかで、まるで岩のような存在」(LA Times)

「理想的な健康体。ドジャースがこの順位にいられるのは、前田の成功あってのこと」(ESPN)

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著者プロフィール

サンフランシスコ在住。テレビ局勤務。スポーツリポーター、AP、コーディネーター。高校野球の監督だった父親の影響で高校・大学では野球部のマネージャーを務める。大学時代よりプロ野球やMLB中継に携わる。テレビ局のスポーツ局での勤務を経て、その後拠点を米国に移す。現在はサンフランシスコ・ジャイアンツやサンフランシスコ49ersなどスポーツの取材を中心に行うほか、コーディネーターとして幅広くテレビ番組の制作にも関わっている。

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