独自のバスケ文化が育んだbjリーグの雄 B1西地区 琉球ゴールデンキングス編
注目はエースの岸本隆一(写真)。176センチと小柄ながら、その得点能力はリーグ屈指だ 【写真:中西祐介/アフロスポーツ/bj-league】
沖縄の文化が育んだ“バスケットボールカルチャー”に触れる
かつて国内のバスケットボールリーグで、これほど華々しい舞台があっただろうか。キングスはその舞台にふさわしいクラブだと、誰もが認めるところ。bjリーグ史上最多4度の優勝を誇るという実績もさることながら、ホームタウンである沖縄のバスケットボールカルチャーがあればこそ。地元沖縄において、バスケットボールは人気の高いスポーツであり、みんなが親近感を持っている。
「バスケ=米国」の図式があるとすれば、沖縄に米軍基地が存在することと無縁ではないだろう。また、沖縄にはストリートバスケを楽しめる環境もある。かつて聞いた話だが、基地内で行われるバスケットボール大会のスキルレベルは半端なく高いそうだ。NBAの映像もいち早く観ることができたという。
当然、キングスのホームコートは観客のノリがよく、雰囲気作りや飲食などのサービスも充実している。開幕戦はアウェーだが、そんなことはお構いなし。大勢のブースターが会場に駆け付けるはずだ。沖縄民謡の独特のリズムに乗り、ビッグフラッグを揺らし、指笛で盛り上がる。プレーを楽しむのは当たり前だが、アリーナに入れば観客も楽しむ、これこそバスケットボールの醍醐味(だいごみ)だと実感できる。開幕戦だけでなく、沖縄に出かけて、ホームで行われるキングスの試合も大いに楽しんでほしい。
魅せるバスケットを展開する注目選手たち
ここで、キングスの注目選手をお伝えしよう。まずはエースの岸本隆一だ。176センチとバスケ選手としては小柄ながら、得点能力はリーグ屈指。チャンスで決める3ポイントシュートは必見だ。ルーキーシーズンに出場した2013−14シーズンのファイナルでは、当時秋田ノーザンハピネッツに在籍していた富樫勇樹(現千葉ジェッツ)と対決。この2人の出来が勝敗を左右するとされていたが、岸本は34得点を挙げる大活躍でプレーオフMVPを獲得。見事、チームを優勝に導いた。
もう1人、キングスを語る上で欠かせないのが大黒柱のアンソニー・マクヘンリーだ。落ち着いたプレーでチームを引っ張るだけでなく、コートを離れても、チームの精神的な支柱として大きな影響を与えている。
若手の注目株は高校バスケット界の名門、福岡大学附属大濠高で活躍した津山尚大だろう。14年に当時18歳でプロデビューを果たし、なんら臆することなく堂々のプレーぶりを見せた。体の強さやテクニック、スキルなど未熟なところはあるが、そこは20歳の若武者である。先輩たちからどんどん学び、キャリアを積むごとに「スーパースター」へと成長するだろう。「子どもの頃からキングスに憧れていました」と語る津山。プロバスケチームが“夢”の対象になった証しであり、なんともうれしいコメントだ。今度は自分たちが、憧れの存在になるために飛躍を誓う。
【スポーツナビ】
バスケ最強SNS「スポナビバスケ」運用スタート!
【スポーツナビ】
※リンク先は外部サイトの場合があります
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ