ハリル「選手のチョイスが難しい」 W杯最終予選 UAE戦の前日会見
ハリルホジッチ監督は「最終予選ということで、われわれにとっては勝利すべき大事な試合」と初戦の重要性を語り、「UAEの戦い方も彼らの長所と短所も把握している」としっかり準備を行ってきたことを明かした。
その一方で、指揮官は選手たちに関して「彼ら(海外組)はリーグ戦が始まったばかりで全員がスタメンで出場できてはいない。国内組については、この時期はかなり暑いので疲労がたまっている。どういった選手を使うかについてはチョイスが難しい」とメンバー選考に悩んでいる様子も垣間見せた。
このチームにはクオリティーも経験も十分にある
──原口元気と清武弘嗣は昨日からの合流だが、明日は出場可能か? UAEは7月からスペイン合宿など入念な準備をしていることをどう思うか。
彼らは2カ月準備期間があり、われわれは2日だが、決して野心がないわけではない。その2人については、良い準備ができているし、よく眠れている。明日は少し難しい状況かもしれないが、彼らとはしっかり話をしようと思う。(準備期間が限られているのは)われわれの大きな問題ではある。
──欧州組はシーズンが始まったばかりで出場機会を得ていない選手がいる。一方、日本はシーズンのまっただ中で選手のコンディションにばらつきがある。明日のメンバー選考に影響はあるか?
それぞれ(選手は)いろいろな事情を抱えているし、長所も短所もある。たくさんの選手が欧州でプレーしているが、確かに彼らはリーグ戦が始まったばかりで全員がスタメンで出場できてはいない。だから、このリストを作るのは苦労した。国内組については、この時期はかなり暑いので疲労がたまっている。どういった選手を使うかについてはチョイスが難しい。軽い痛みを訴えている選手もいる。
そういった困難はあっても、埼玉スタジアムが明日、超満員になると聞いている。選手には、できるだけ準備してくれと言っている。このチームにはクオリティーも経験も十分にある。この試合をしっかりコントロールできると思うが、(勝利するのは)簡単ではないと思う。
メダリストたちのサインに「かなり美しいプレゼント」
この戦いに関して準備をかけていた。まず映像をしっかり見て、たくさんの試合を分析してきた。UAEの戦い方も、彼らの長所と短所も把握している。ただグラウンドでの時間は少ない。タクティクスのチョイスについて、いろいろ選手に話をしないといけない。昨日はグラウンドで1時間45分のタクティクス練習をした。本来はグラウンド上の練習には2週間が必要だが、昨日は限られた時間の中で9のテーマについて練習した。
グラウンド外では映像を見ながらミーティングをしたし、個人のビデオも用意した。グラウンドでの準備期間は長いほうがいいし、何人かの選手は1日か2日の余裕がほしかった。疲労回復に毎日務めている。私も欧州と日本を移動してきているので、回復具合も分かっているし、経験上、時には回復は簡単ではない。それでも(選手の)戦うモチベーションはすごく信頼している。サポーターもきっと助けてくれるだろう。
そして今回の(リオデジャネイロ)五輪のメダリストたちが国旗にサインをしてくれた(といって寄せ書きの日の丸を広げる)。これはかなり美しいプレゼントだ。選手のモチベーションはかなり上がっている。簡単な試合ではないだろうが、UAEにとっても簡単ではないだろう。
──勝利以外のテーマを挙げるとしたら何か?
タクティクスのトレーニングをしてきたが、タクティクスについては個人についても組織についても、守備についても攻撃についても、1時間や2時間は話をすることができる。選手にはしっかり話そうと思う。かなり細かいディテールを突き詰めている。この試合に関しては、小さなディテールが違いを生む。タクティクスであれフィジカルであれ、そしてメンタルも重要な要素のひとつになる。
──最終予選が現在のフォーマットになって、最終予選の初戦に勝てなかったチームは予選を突破していない。初戦の大切さをどう考えるか?
そのこともすべて把握している。(W杯2次予選で初戦の相手だった)シンガポール戦(0−0)でもわれわれは経験している。フットボールはすべてのことが起こり得る。多くのことは事前に予想できない。そういったことも含めて、フットボールは面白いスポーツだ。
われわれにとって(明日の試合は)大事な一歩になる。そしてこの試合に勝って、(9月6日の)タイにも勝つことがわれわれの目標だ。2試合に勝ちにいかなければならない。誰も(勝ち点を)プレゼントしてくれないから、取りにいかなければならない。日本にとって簡単ではないし、相手にとっても簡単ではない。チームが勝つためにすべてのトライをする。それだけだ。