リオ五輪期間中の明暗は!? 17日間の日本プロ野球をおさらい

ベースボール・タイムズ

一時は首位・広島とのゲーム差を4.5まで縮め、1996年の“メークドラマ”再現を狙った巨人。五輪期間中も8勝6敗と勝ち越したが、勝負どころで勝ち切れず。広島との差は8ゲームに広がった 【写真は共同】

 連日のメダルラッシュに沸いたリオ五輪(日本時間8月6〜22日)。眠れない日々が続いた中、セ・パ両リーグともにペナントレースが佳境を迎えようとしている。五輪開催の17日間に日本プロ野球界で起こった出来事を改めて振り返り、五輪モードからの切り替えを図ろう。

“メークドラマ”再現狙った巨人は…

 地球の裏側で華やかに五輪開幕が告げられたのは、日本時間の8月6日の朝のことだった。その前日の5日夜、セ・リーグの2位・巨人が敵地で首位・広島との直接対決3連戦の初戦に挑み、9回に坂本勇人の決勝タイムリーで5対4の勝利。そして五輪開幕日の6日も3対2と1点差で勝利して今季初の7連勝をマーク。最大11ゲームあった首位の差を、一気に4.5ゲームにまで縮めた。

 11.5ゲーム差をひっくり返した1996年の“メークドラマ”の再現に団結する巨人ナインだったが、翌7日の首位攻防第3戦では、1点リードで最終回を迎えながら守護神・澤村拓一が菊池涼介に同点アーチを被弾。さらに新井貴浩にサヨナラタイムリーを浴びて7対8と痛恨の逆転負けを喫した。

 一瞬、過去のトラウマが頭をよぎった広島だったが、このサヨナラ勝ちから再び上昇気流に乗り、五輪期間中に行われた13試合を10勝3敗の好成績でマジック点灯に王手。一方の巨人は五輪期間中の14試合を8勝6敗と勝ち越しはしたが、21日の阪神戦でも逆転負けを喫するなど勝負どころで黒星を喫し、首位と8ゲーム差でリオ五輪の閉会式を迎えることになった。

日本ハム、0.5ゲーム差へ接近

右手中指のマメで投手としては登板していない大谷だが、3番打者として五輪期間53打数17安打5本塁打11打点と大暴れ。日本ハムも首位ソフトバンクとの差を0.5ゲームまで縮めた 【写真は共同】

 一方のパ・リーグは、五輪期間中に首位と2位のゲーム差が一気に縮まった。

 五輪開幕前夜の5日、和田毅が北海道日本ハム打線を8回2失点に抑えてリーグトップの12勝目を挙げ、貯金を今季最多の33とした首位・福岡ソフトバンクだったが、五輪開幕後の首位攻防第2戦、第3戦に敗れると、そのまま今季初の6連敗。13日に千賀滉大の力投で連敗を止めたが、翌14日からは再び3連敗。19日からの首位攻防戦は2勝1敗と勝ち越したが、五輪期間中の13試合を3勝10敗と大きく負け越した。

 追いかける2位・日本ハムは絶好調で、五輪開催中の14試合を9勝5敗。右手中指のまめの影響でマウンドからは遠ざかっている大谷翔平が「3番・DH」での出場を続け、五輪期間中を打率3割2分1厘(53打数17安打)5本塁打11打点の大暴れ。投手陣では、プロ3年目の高梨裕稔が、プロ初完封勝利をマークするなど奮闘。首位攻防戦は負け越したが、五輪開幕前の6ゲーム差を0.5ゲーム差にまで縮め、最大11.5ゲーム差を覆す逆転優勝を手の届く距離にまで引き寄せた。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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