リオ五輪期間中の明暗は!? 17日間の日本プロ野球をおさらい

ベースボール・タイムズ

谷繁監督休養…平沢にプロ初安打

中日に激震が走ったのは体操男子団体の金メダルに沸く9日。谷繁監督が成績不振による事実上の解任となる休養が発表された 【写真は共同】

 五輪期間中にセ・パで大きく景色が変わったプロ野球ペナントレース。チーム別勝敗を見ると、セ・リーグでは広島(13勝3敗)、巨人(8勝6敗)、東京ヤクルト(7勝5敗)の3チームが勝ち越し、横浜DeNA(5勝7敗)、阪神(5勝8敗)、中日(4勝10敗)の3チームが負け越し。

 パ・リーグでは、日本ハム(9勝5敗)、埼玉西武(8勝5敗)、東北楽天(7勝5敗1分け)の3チームが勝ち越して、千葉ロッテ(6勝7敗)、オリックス(6勝7敗1分け)、ソフトバンク(3勝10敗)の3チームが負け越しという結果となった。

 勝敗以外の部分で最も大きなニュースは、中日・谷繁元信監督の休養だろう。発表されたのは、その日の早朝に体操男子団体が金メダルを獲得した9日の午後、ナゴヤドームでの試合前だった。理由は成績不振で、事実上の解任。中日ファンにとっては、違った意味で記憶に残る五輪期間になっただろう。

 いい意味で忘れられない記憶を作ったのは、ロッテのルーキー・平沢大河だった。17日の楽天戦でプロ6試合目のスタメン出場を果たすと7回の第3打席で外角フォークをセンター前へ。プロ24打席目でうれしいプロ初安打となった。さらにそこから5試合連続のスタメン出場で5試合連続安打をマーク。五輪を境に、一気に波に乗っている。惜しむらくは、世間の注目が五輪に集中して、ほとんど騒がれなかったことだろうか。

東京五輪期間中はペナント中断

 ロンドンに続いてリオでも野球競技が実施されなかったこともあり、野球ファンにとってはこの五輪開催期間中はもどかしい想いがあったかも知れない。どれだけ活躍しても、どれだけ勝利を重ねても、新聞やテレビの限られた枠内で報じられるのは五輪関連のニュースが優先されるのだから。

 しかし、野球が正式種目として復活する次回2020年の東京五輪では、そのような心配はいらない。すでに日本野球機構(NPB)は、東京五輪が開催される期間中(7月24日〜8月9日)は、ペナントレースを中断する方針を固めている。前回1964年の東京五輪は10月10日開幕だったこともあり、五輪期間中の大規模なペナントレース中断は20年が初めてとなる。

 五輪野球の規模、競技レベルにハード面も含めて課題および賛否はあるが、それでも4年後は今年とまったく違った野球界の動きになることは確か。リオの興奮と感動が、東京でさらに大きくなることを、そして野球界にも波及することを、ぜひとも期待したい。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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