エースで主将を務めた柳裕也、日米大学野球で見せた好投と献身

高木遊

エースで主将を務め、最高殊勲選手賞を獲得した柳裕也 【写真は共同】

 7月12日から行われていた第40回日米大学野球選手権大会で、侍ジャパン大学代表が大学米国代表を3勝2敗で下し、2大会連続18度目の優勝を飾った。中でも活躍が目立ったのが、今秋のドラフト1位候補に挙がる右腕・柳裕也(明治大)だ。2試合11回2/3を投げ無失点、19奪三振と好投し、最高殊勲選手賞を獲得した。

クレバーな投球が光った第5戦

 今回の大学米国代表は、侍ジャパン大学代表の横井人輝監督が「投手陣は過去にこの大会で来日したチームの中でもトップレベルではないか」と舌を巻く強力投手陣で、侍ジャパン大学代表打線は150キロを超えるストレートと140キロ台後半にもなるムービングボールになかなか順応できなかった。

 そのため第4戦までに奪った得点は、わずかに「5」。最終戦こそ5点を奪い、サヨナラ勝ちで優勝を決めたが、緊迫した投手戦で柳、佐々木千隼(桜美林大)、田村伊知郎(立教大)、齊藤大将(明治大)ら投手陣が、気迫と冷静さを兼ね備えた投球で失点を最小限に留めたことが勝因に挙げられる。

 柳の投球で特に有効だったのが、140キロ台前半ながらも空振りが奪えるキレのあるストレートと、縦に大きく割れるカーブのコンビネーションだ。12三振を喫した第2戦後に大学米国代表のジョージ・ホートン監督は、「カーブでカウントを取られ、カーブと予想していたタイミングでストレートが来るなど、非常にスマートな配球をされ対応できなかった」と脱帽した。

 ただ、これに黙っているメジャー予備軍の選手たちではなかった。「相手はデータを取って、われわれの適性を見て戦っている印象です」と横井監督が大会中に語っていたように、第5戦の米国打者陣は柳の低めの変化球に簡単に手は出さなくなっていた。

 だが、それでも自らの投球が揺らぐ柳ではない。「試合に入って感じたことを投球に生かせました」と試合後に語ったように、カーブで打者の目線を上げさせて、低めのカットボールやチェンジアップに手を出させるように修正。コースを突くストレートも絶妙で、5回2死で佐々木にマウンドを譲るまで7三振を奪い、相手打線を手玉に取った。

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著者プロフィール

1988年、東京都生まれ。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。関東を中心に全国各地の大学野球を精力的に取材。中学、高校、社会人などアマチュア野球全般やラグビーなども取材領域とする。

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