強力・広島打線を支える3人のコーチ “神様”と“凡人”をつなぐ“通訳”
打撃コーチ1年目で打線を生まれ変わらせた石井コーチ(右) 【写真=BBM】
1人ひとりにあった指導を心がける石井コーチ
「急に打てるようになるとは思っていない。でも打てないときにも点を取れる打線を作りたい」
打撃コーチ就任直後に力を込めると、秋季練習から打撃改造が始まった。 ティー打撃用のボールに文字や数字を書き、動体視力を強化。ゴムチューブや小さいボール、細長いバットを持ち出した。通算2432安打を放った自身の現役時代に役立ったものは、積極的に取り入れた。
さらにタブレットPCを使って打撃フォームも分析。打撃につながるアイデアを次々に生み出していった。「押しつけない。ヒントを与える」ことを信条とする指導は選手の心もつかんだ。エルドレッドには具体的な指示を出し「顔を合わせるたびに我慢と言っている」
1人ひとりに合った指導を行ってきた。
丸佳浩、復活の裏側
「探りながらスイングをしているように見えた。間合いが取れなくなっているように見えた。だから、変えられるところは変えていこう」
グリップを左肩まで上げて構え、足を大きく上げてタイミングを取る。狙いは「対応できる球を増やす」こと。グリップがヒッチするなど、丸の感覚も混ぜ合わせた。何より練習し、復活へと導いた。