手倉森監督「みんな期待に応えてくれた」 U−23日本代表 南アフリカ戦後の会見

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U−23南アフリカ戦後、会見に臨んだ手倉森監督 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 サッカー日本代表は6月29日、松本平広域公園総合球技場でU−23南アフリカ代表との親善試合に臨み、4−1で勝利した。日本は前半30分にギフト・モトゥパにPKを決められたものの、37分に中島翔哉がゴールを決めて1−1の同点に追いつく。44分には矢島慎也、46分には再び中島がゴールを決めて前半だけで3−1と逆転に成功。日本は後半3分に浅野拓磨がゴールを決めてリードを3点に広げると、その後は積極的なメンバー交代で多くの選手を試し、リオデジャネイロ五輪前、国内最後の試合を大勝で締めくくった。

 この試合は7月1日の五輪メンバー発表前、最後の試合でもあったが、手倉森監督は「みんな申し分なく期待に応えてくれた」と語り、「今日の試合が終わったところで、より厳しい決断をしなければいけない状況になった」と、最後までメンバー選考に頭を悩ませている様子だった。

 日本代表は7月1日に五輪メンバー18名を発表予定。日本時間7月31日にU−23ブラジル代表と国際親善試合を行い、8月5日にU−23ナイジェリア代表とリオ五輪グループリーグ初戦を戦う。

正しい競争がこの世代にはある

共にゴールを決めてアピールした矢島(右)と中島(中央)。手倉森監督は「ポジティブな競争」と評価した 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

――試合の感想を。

 この世代だけでの強化試合で成長とこれからの可能性を示そうという話を(試合前に選手たちへ)しました。ゲームの入り、身体能力の高い南アフリカに少し冷や汗をかかされるシーンが続きましたが、相手のストロング(ポイント)をしっかり受け止めて、ウイーク(ポイント)を探りながらゲームを進めていったコントロール力が良かったなと。前半のうちに逆転できたところも、失点で相手が怯んだところで畳み掛けた。ゲームの流れを読みながらゲームをできるようになった。そこに成長を感じています。

 ゲームを通して(負傷からの)復帰組を主体にメンバーを出し入れしました。メンバー選考へのラストチャンスだという意味合いです。みんな申し分なく期待に応えてくれました。ゲームは4−1という完勝で晴れ晴れしい結果だったのですけれど、何か(選考作業を控える)自分の気持ちだけが晴れない(笑)、そんな状況です。国内最後の強化試合でこれだけ多くのファンが来てくれる中で、その期待に応えられて良かったし、期待と注目が高まることで、またこの世代は成長できるんだと感じられました。サッカーをやる方も見る方も日本の国を盛り上げようというような共闘ができればいいなと。良い雰囲気を作ってくれたサポーターに感謝したいです。

――負傷明けで先発フル出場2得点の中島の評価は?

 普段、本当に試合へ出ていない選手なんだろうかというね(笑)。様子を見たくて先発させました。切れ味もあるし、好調だった。日頃は90分やれていないので、(負傷していた)ひざの痛みも癒えた中でどのくらい持つのだろうかというトライもできる状況だったので、90分使いました。それは(同じく負傷明けの)室屋も一緒です。

 あとは、彼らが連戦に耐えられるくらいのコンディションまで向上させて維持できるかというところについては、こっちが勝手に計算してあげないといけないだろうなと思っています。

――中島と10番を争う矢島も結果を出した。足の引っ張り合いではない相乗効果が出ているのでは?

 この世代で育まれていたもの、まず強みとするのはチームとしてのまとまり。それを最後までやり続けようという話はしていました。正しい競争がこの世代にはあって、本当にポジティブな競争(になっている)。まあ、(復帰した中島に)10番を与えなかったのは良かったなと思います。われながら良いマネジメントだったなと(笑)。本当にどの大会でも、彼ら2人は絡んできてやってくれている。ゲームを決定付ける仕事に関しては矢島もすごく伸びたと思っていますし、(中島)翔哉は相変わらずここ(代表)に来ると結果を出すやつだなと。良い競争の中から自分は選ぶことになるという話をいまちょうどしてきました。だからこそ、ハイレベルなグループができあがるだろうと。

「託す側」と「託される側」に分かれるだけで、決して落とされたり外されたりという話ではないということは言っておきました。今日の21人、本当に良い存在感を発揮してくれたと思います。「託す側」になった選手は、ここからA代表を目指すだけなんだという言葉をかけてきました。本当に将来の日本サッカーの可能性・希望というのを、皆さんもこの世代から見いだしてくれればと思います。

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