昨今話題の新魔球をOBが解説 ナックルカーブとワンシーム、特徴は?

ベースボール・タイムズ

ナックルカーブを武器に通算31勝を挙げているオリックス・ディクソン 【写真は共同】

 日々進化する野球界。ピッチャーが投げる変化球においても、時代の変化とともに次々と新たな球種が登場している。そして最近のトレンドは、「ナックルカーブ」、「ワンシーム」。その“魔球”の握り方、投げ方、使い方などを、投手として活躍した前田幸長氏、佐野慈紀氏が徹底解説した。

カーブよりも制球できるナックルカーブ


(撮影・編集:ベースボール・タイムズ)
 福岡ソフトバンクの五十嵐亮太、森唯斗、オリックスのディクソンらが得意とする『ナックルカーブ』。通常のカーブの握りから、人さし指の指先(もしくは爪)をボールの縫い目にかけ、リリースする瞬間にその人さし指を強く弾く。指を立てて“弾く”という動作はナックルに通じ、それが名前の由来にもなっているが、変化の仕方は「無回転で揺れる」ナックルとは根本的に異なり、ボールに回転をかけることでカーブに近い山なりの軌道を描く。

 カーブとの大きな違いはスピードだ。「ナックルカーブの方がスピードがある。普通のカーブであれば100から120キロぐらい。ナックルカーブの場合は120キロ台後半から130キロ台を投げる投手もいる。“抜く”カーブではなくて、しっかりと(指や爪にボールの縫い目を)ひっかけて投げる形なのでスピードが出る」と前田氏。カーブのように緩急を使ってタイミングをずらすのではなく、スピードを保ったまま鋭く曲がることで空振りを奪えるという特徴もある。

 決め球としても用いられるナックルカーブだが、その一方で制球するのが難しいと言われる。だが佐野氏は、「カーブよりもナックルカーブの方がコントロールしやすい」と指摘。“抜く”よりも“弾く”方が、コントロールしやすいと感じる投手も多いようだ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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