【DDT】21歳・竹下が佐々木を破りKO-D初戴冠 LiLiCoが“愛の力”でEXTREME王座奪取

高木裕美

この日29日に21歳の誕生日を迎えた竹下幸之介が史上最年少でKO−D王座を初戴冠 【前島康人】

 29日のDDTプロレスリング「Audience2016」東京・後楽園ホール大会では、3大タイトルマッチなどが行われ、超満員となる1633人を動員した。
 メインイベントのKO−D無差別級選手権試合では、竹下幸之介が佐々木大輔を破り王座初戴冠。この日、21歳の誕生日を迎えた新鋭がDDTの頂点に立った。

25分近くに及ぶ熱戦を制し初戴冠

【前島康人】

 キャリア10年を超える佐々木は、現役大学生である若き竹下をテクニックで圧倒。開始早々、客席のイスに立ち上がってのかわず落としでダメージを与えると、15分過ぎにはレフェリー不在の状況を作り上げ、精神的揺さぶりをかける。
 さらに場外のイスに座らせてのダイビングエルボーアタック、ミスティカ式クロスフェースと追い込むも、竹下は必死にロープエスケープを果たすと、トップロープからの雪崩式ブレーンバスター、ツームストンパイルドライバーからのジャーマン、ラリアットとたたみかけ、クロスアーム式ジャーマンスープレックスで25分近くに及ぶ熱戦を制した。

【前島康人】

 史上最年少記録となる21歳で至宝を手にした竹下は「お世話になった先輩に恩を返せた。まだまだここから、竹下幸之介のプロレスで盛り上げていく」とファンに宣言。「僕がプロレス界の中心に立って、盛り上げていく」と、DDTの未来を背負う覚悟を示し、まずは8.28両国国技館大会のメインに立つと訴えた。

 一方、敗れた佐々木は「全部失って燃え尽きた。もうやり遺したこともないし、引退しようと思っています」と衝撃の引退宣言。石川修司と保持しているKO−Dタッグ王座の返上まで口にするが、8月に自身のプロデュース興行があると告げられると、「じゃあ、復帰します。ベルトの返上もなしで」と、あっさりその場で撤回した。

王座防衛チームドリフ解散で王座返上

初防衛に成功したチームドリフは公約通り解散を表明し王座を返上 【前島康人】

 セミファイナルのKO−D6人タッグ選手権試合では、この試合を最後にチームドリフを解散すると宣言していた王者組の石井慧介&入江茂弘&高尾蒼馬組が、HARASHIMA&彰人&ヤス・ウラノのスマイルスカッシュを退け初防衛に成功。試合後、公約通り、涙ながらに解散を表明し、王座を返上した。

 チームドリフことチームドリームフューチャーズは、12年9月に結成。だが、「互いに成長するため」解散を決めると、3人で組んでちょうど100試合目となるこの節目で、3年9カ月の歴史にピリオドを打つことになった。

【前島康人】

 すでにドリフの3人は入場時から感極まった表情。試合前に円陣を組み、気合を高めると、3人がかりでHARASHIMAを後方に投げ捨てる。高尾がHARASHIMAの蒼魔刀のエジキになるかと見るや、入江が横から突っ込んで救出。石井と高尾がウラノに合体キックを見舞い、3人がかりの攻撃から高尾がジントニックでフィニッシュ。ドリフが有終の美を飾ると、客席からも大きな歓声と拍手が起こった。

 3年9カ月もの間、支えてくれたファン、そして仲間たちにそれぞれ感謝の思いを伝えた3人は、初防衛したばかりのベルトを返上。リーダーの石井は「チームは解散しますが、これから各選手、トップを目指して、それぞれの道で頑張っていきます」と、今後の個々の活躍を期待し、3人で四方に礼をしてリングを降りた。
「それぞれの道で頑張る」という意気込みを示すかのように、全試合終了後に行われた「KING OF DDT2016」トーナメント組み合わせ抽選会では、高尾が石井との対戦を志願。3人がそれぞれ「まずはKODトーナメントに集中する」と意気込むように、ドリフ解散後の第一歩をすでに歩み始めた。

LiLiCoは渡瀬との愛のパワーで王座戴冠

スーパー・ササダンゴ・マシンを下しEXTREME級王座を奪取したLiLiCo 【前島康人】

 DDT EXTREME級選手権試合では、タレントのLiLiCoがスーパー・ササダンゴ・マシンからベルトを強奪。渡瀬瑞基との愛の力で、再びチャンピオンの座に君臨した。
 LiLiCoは4.24後楽園大会でアイアンマンヘビーメタル級王座から陥落。無冠に転落したが、条件つきで次期挑戦者を探していたササダンゴの呼びかけに奇跡の復活を遂げ、今回のタイトルマッチが決定した。

 ササダンゴは、LiLiCoがレギュラー出演する「王様のブランチ」をネタに、恒例の煽りパワポを展開しようとするが、そこに渡瀬を従えたLiLiCoが現れ、勝手に自作の煽りパワポをスタート。図体がデカイだけが取り得のササダンゴを映画『タイタニック』になぞらえ、豪華客船タイタニックが氷山に激突して沈没したごとく、ササダンゴもセコンドの大石真翔のイス攻撃誤爆で撃沈すると予告。このチャンスに渡瀬との愛のパワーで3カウントを奪うとの勝利の方程式をプレゼンする。

渡瀬瑞基との愛の力で奇跡の復活 【前島康人】

 LiLiCoの読み通り、ササダンゴは大石の誤爆で見事ダウン。すかさずLiLiCoがコーナーに上がり、渡瀬と共に有名なあのポーズを決めてから熱いキスをかわし、ダイビングボディープレスで飛び込むも、まさかのカウント2。逆にササダンゴの垂直落下式リーマンショックのエジキとなるも、LiLiCoはササダンゴの上にまたがってタイタニックポーズを決めると、そのままエビ固めで丸め込んで3カウントを奪取。またしてもDDTの至宝を手に入れた。

 試合後、鶴見亜門GMが7.3博多での次期防衛戦を打診すると、LiLiCoは「いいよ。こっちのが大事」とスケジュールも確認せずに即答。バックステージでも渡瀬と見つめ合ったまま恍惚の表情を浮かべたLiLiCoは「次はイケメンとしかやらない。一番のイケメンはここにいるからね」と、肉食女子の欲望をむき出しにした。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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