蛯名、デムーロ、戸崎が本音を激白! 日本ダービー直前、専門紙記者座談会
競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会
二冠達成を阻むのはコレ TM支持率ナンバーワンは……
最高の枠を引き当てた皐月賞馬ディーマジェスティが二冠を狙う(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
小島「強風の影響だとか、展開が向いたとの声もありますが、皐月賞の強さは本物です。取材の感触で、皐月賞よりデキが上向いたという感じはないですが、先週、今週と抜群の動きを見せましたし、状態については問題ないですよ。僕は二冠どころか“三冠”の可能性すらある化け物だと思っていますし、何より1番という最高の枠も引き当てました。ダービーは運も必要なレースですからね」
小桧山「皐月賞は、“3強”それぞれが自分のレースをしただけに、人気薄だったとはいえディーマジェスティの勝利は素直に評価していいぞ。何だかんだ言っても、皐月賞組を重視すべきレースだし、今回は“過去10年でキャリア4戦馬の連対なし”というデータや、そもそも揃って東京コースが未経験の“3強”に対して、大きなアドバンテージもあると思うんだ」
小野智「皐月賞の前に蛯名騎手から“この馬は皐月賞ではなくダービーだよ”って聞いていたんで、私は“抜け”にしちゃったんですけど(怒)……。ただ、それで突き抜けたんですから、当初の予定どおり、ここで◎を打ちました」
デスク「その二冠達成を阻むのは、という視点で考えれば、TMの多くが“3強”の巻き返しと見ているようだが、中でも東西のTMともに一番の支持を集めたのが、リオンディーズとはな……」
桜井「色々ありましたが、皐月賞で一番強い競馬をしたのがリオンディーズですよね」
大江原「そうだな。強烈な向い風を受けた向正面で外目に出して3角先頭。5ハロン通過が58秒4のラップを考えれば、最後に止まっても仕方はないよ」
中邑「加えて、少々水分を含んだ馬場でしたから、あのラップは明らかにオーバーペースで、結果としてレースレコードを演出したんだと思います」
清野「むしろ、普通なら直線で大失速してもおかしくない状況で、4位に入線したんですから、負けて強しですよ。1番枠を引いたディーマジェスティにも心を動かされましたが、リオンディーズは2歳の時点からダービーでの走りが楽しみ、と感じていた馬ですし、初志貫徹と行きたいですね」
久光「皐月賞は、相手に負けたと言うより、自分に負けた競馬ですよね。中間はデムーロ騎手が志願して再三調教に跨り、舌を縛るなど、明確になった課題の修正が施されています。着順ではなく、最も強かったと僕も思いますし、清野さんと同じく初志貫徹です」
坂倉「どんな競馬になっても東京2400mは力勝負の舞台ですから、能力全開ならリオンディーズですね」
持木「弥生賞も同じようにリオンディーズは前々での競馬でしたが、この馬が一番強かった朝日杯の時のように、差す形の競馬ができれば巻き返せると僕は思うんです」
守屋「それができるかが鍵でしょうね。ここ2走と同じ形の競馬なら、東京コースでは割り引かなければならないと思いますよ」
那谷「皐月賞の強風は、ミルコいわく“失敗した。あんなに速い流れだとはわからなかった”と、名手の体感時計も狂わせるほどだったわけだから、仕方ないよな。ただ、“メンバーがとても強いので、去年(ドゥラメンテ)ほどの自信はないけど、この馬でダービーへ行けるのはとても嬉しい。調教で舌を縛ったら折り合いも付くようになったので、距離も全く心配ないよ”と、自身の連覇へ前向きなんだ。半兄のエピファネイアも、秋から舌を縛って菊花賞を制しているからな」
目黒「そのミルコの最近の不振は気懸かりですが、やはり大一番ならキッチリ乗ってくるはずですよね。那谷さんから名前が出た半兄との比較においても、陣営は“同じ時期のエピファネイアよりはコントロールが利く”という判断ですし、とにかくリズム良く運べるかどうかでしょうね」
伊利「僕は血統からのアプローチになりますが、これまでダービーで連対したキングカメハメハ産駒は、ローズキングダムとドゥラメンテの2頭。共通するのは母か祖母がオークスで連対しているということです。今回の産駒2頭は、もう一方のエアスピネルもこのデータに該当するんですが、皐月賞で本命を打ったリオンディーズの方に今一度◎の期待を賭けてみます」