錦織圭が2日またぎの初戦を無難に突破 若手も活躍…大坂、ダニエルが初勝利
雨にたたられた錦織の初戦
錦織、雨で2日間にわたった初戦に勝利。気になる疲れに関しても楽観的な見解を示した 【写真:ロイター/アフロ】
この日も激しい雨で夜が明けた。前日、第3セット途中でサスペンデッドになっていた錦織の試合はセンターコートの第2試合。第1試合の開始時間が雨で2時間近くも遅れた上に、その第1試合では、昨年の覇者スタン・ワウリンカ(スイス)がルカシュ・ロソル(チェコ)とフルセットを戦い、錦織はこの日も待たされる時間が長かった。
そして現地の午後5時過ぎ、6−1、7−5、2−1からようやくの再スタート。相手のシモーネ・ボレリ(イタリア)は故障上がりだけに錦織の優位は動かないとはいえ、錦織はペースを使ってレベルを上げていくタイプ。一から作り直す中断は避けたかったところだ。早く終らせようという気持ちも働き、精彩を欠く相手にもかかわらず、ミスが目立ち、3−3からダブルフォルトでブレイクポイントを握られた。ただ、いざとなれば危なげなく、第8ゲームにサービスブレイクに成功。第9ゲームの15−40というピンチも得意のバックハンドウイナーなどで切り抜けると、最後はセンターにサービスエースを打ち込んで決着をつけた。
「前の日は、思い出せないくらい激しい雨で、ボールが重くて水が目に入ってやり難かったですが、昨日終らせたかった。止める選択肢はなかったですね。どちらかと言えば、2セットダウンの方が(順延は)うれしい。(ボレリは)ケガもしていたので、動きはよくなかったですね」
体力よりメンタル面の疲れが気になると言うものの、1日の休みで解消するだろうと楽観的。本人はドローを見ない主義だが、2回戦の相手は世界ランク40位のアンドレイ・クズネツォフ(ロシア)。クズネツォフを突破すると、3回戦でフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)とイワン・ドディグ(クロアチア)の勝者と対戦することになる。
日本の若手勢も次々勝利
力強いサービスで全仏オープン初出場初勝利を果たした大坂 【写真:アフロ】
また、3度目のグランドスラム本戦に臨んだ日本の男子ナンバー2、ダニエルは世界ランク45位のマルティン・クリザン(スロバキア)と対戦、セットカウント0−2から持ち前の粘りで反撃して、フルセットに入り3−0とリードしたところで相手が棄権、グランドスラム初勝利を飾った。ダニエルの次の相手は昨年の覇者、ワウリンカだ。
一方で、全豪オープンに続いて2度目のメジャー挑戦だった日比野菜緒(フリー)は、第6シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)に2−6、0−6で完敗。奈良くるみ(安藤証券)の試合は雨の影響で第3日に順延になり、土居美咲(ミキハウス)とサマンサ・ストーサー(オーストラリア)の試合もストーサーから6−2、1−3の時点で日没順延となった。
その他では、男女の上位シード勢がほぼ順当に勝ち進んだが、第2シードのアンディ・マリー(スコットランド)は予選勝ち上がりのラデク・ステパネク(チェコ)に2セット先取される苦しい展開に。1セットを奪い返した第4セット途中で日没順延になった。
(文:武田薫)
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