ロッドマン「ジョーダンが史上最高選手」 NBAプレーオフ展望と日本への助言
近年のNBAの傾向を問われたロッドマンは「最近はオフェンス重視の傾向が強い」とコメント 【スポーツナビ】
そんなプレーオフを直前に控えた15日、5度のNBA優勝を経験し、7年連続のリバウンド王に輝いた経歴を持つデニス・ロッドマンが来日。NBAファイナルの見どころを語ってくれた。5個のチャンピオンリングを持つレジェンドは、今のNBAをどのように見ているのか。また、日本の印象と今後の期待も語ってもらった。
カリーは一芸に秀でた選手
ロッドマン(中央)はブルズ時代の記憶を振り返り、「コービーは驚きだった」とコメント 【Getty Images】
毎年NBAはどんどん変化をしているけれど、特に最近はオフェンス重視の傾向が強いね。その中でもスパーズとロサンゼルス・クリッパーズはディフェンスに力を入れている数少ないチームだ。ウォリアーズは(守備が)ないに等しい。クリーブランド・キャバリアーズは余裕でファイナル進出を果たすと思う。ウォリアーズ、スパーズ、キャブスそれにオクラホマシティ・サンダーを加えた4チームがファイナル有力候補だね。
――あなたも一員だった1995−96シーズンのシカゴ・ブルズのシーズン72勝の記録をウォリアーズが塗り替えました。プレースタイルは全く異なる2つのチームですが、もしいま対戦したらどちらが勝つと思いますか?
(その質問が)出ると思っていたよ(笑)。もちろんブルズだ。マイケル・ジョーダンが史上最高の選手であることは疑いの余地がない。10年連続得点王だよ(編注:実際は7年連続、通算10回獲得)。ウィルト・チェンバレンですら達成していないし、誰もジョーダンを止めることはできない。それに1対1で相手を止める点では圧倒的な能力をもつスコッティ・ピッペンもいるし、ディフェンス、リバウンド面では自分がいた。プレイグラウンド(ストリートバスケ)のようにシュートをどんどん打ちまくる自由なプレースタイルのウォリアーズは、相手チームも研究してくるからこれから大変だと思う。
――ブルズはジョーダン、ピッペンに加え有能なアウトサイドシューターがいました。と同時に、実はディフェンスも優れていたと思います。ウォリアーズは当時のブルズ相手に得点できると思いますか?
もちろん得点できるとは思うよ。ただ、ゲーム自体が当時とは変わっていて、ステフ(ステファン)・カリーをはじめ先発の何人かの選手はディフェンスに注力しなくてよい状況ではある。ジョーダン、ピッペン、トニー・クーコッチなどの身体能力が高い選手が、もしカリー相手にポストアップ(オフェンス時に自分のマークマンの前に立ち止まって、パサーからボールを受けるプレー)したら、カリーはスイッチするしかない。ディフェンスできないからね。カリーはスリーポイントという一芸に秀でた選手というのがオレの評価だ。もちろん、今年素晴らしい活躍を見せたことは否定できない。でも相手も研究してくるから、カリーもそれに応じて自分のプレーを修正する必要があるね。
――もしカリーと1対1をやるとしたら、どのように対応しますか?
自分は203センチ、カリーは191センチくらいだけれど、昔から相手の弱点がどこにあるかをすぐ見抜いて対応するのが得意だった。ジョーダンは198センチにも関わらず、あのサイズであのボールハンドリングも備わっていたからすごかったんだ。ピッペンも同じだよ。ジョーダン、ピッペン対カリー、クレイ・トンプソンの2on2とか目も当てられないよ。ジョーダンの勝負に対する執着心を知っているだろ。圧勝だよ。
――今年のベスト5は?
(1人目は)カリー。(2人目は)ラッセル・ウェストブルック(サンダー)。18分間でトリプルダブル達成なんて誰にもできないよ。ビデオゲームをプレーしているくらいの別次元だね。後はケビン・デュラント(サンダー)、クワイ・レナード(スパーズ)、最後にビックマンを選ぶとしたらディアンドレ・ジョーダン(クリッパーズ)かな。
――プレーオフ予想を教えてください。ずばり、今期のNBAチャンピオンはどこだと思いますか?
まずイーストでは、キャバリアーズが同一シリーズで同じ相手に2敗したら驚きだね。レブロン・ジェームスが好調な限りファイナルは間違いない。一方ウェストでは、ウォリアーズがカンファレンスファイナルでスパーズに負けても不思議ではない。
ファイナルはキャバリアーズ対ウォリアーズ。どっちが勝つかは正直分からない。キャブスはケビン・ラブをはじめ、レブロン以外のメンバーの活躍次第。特にディフェンス面が鍵となる。カリーに好きなだけシュートを打たせても問題ないけれど、その他をいかに止められるかだね。