金本効果を最も受けているのは西岡剛 放送席から見えた“超変革”の秘密
藤川を立ち直らせたアドバイス
8日にサヨナラ打を放った西岡(写真中央)。楠アナは金本監督の影響を強く受けている、と語る 【写真は共同】
メジャーから帰ってきた選手にしかわからない背負い込んだものがあるんでしょう。活躍するのが当たり前、福留も「単打やったらアカン、二塁打やないと」と言っていますし、元東京ヤクルトの岩村明憲さんも同じようなプレッシャーを感じていたそうです。それをわかっている西岡が藤川に声を掛けたことで、藤川も感じるものがあったのでしょう。
横田、江越の右中間になれば超変革の完成
あとはマテオ。3月31日のヤクルト戦では3回、61球を投げましたが、その後の広島戦ではカットボールに合わせられていました。またルナに盗塁を許してしまったのも痛いですね。クイックに課題が残るでしょう。
開幕から12試合連続でスタメン入りをしながら、8日からスタメンを外れた横田のケアは片岡篤史打撃コーチがしっかりやっています。本来は「強く叩く」という金本イズムに合致して、柳田悠岐(福岡ソフトバンク)のように育てたかったのですが、合わせて三遊間に転がす打撃になってしまった。ここは1回メンテナンスをする時期なのでは、という考えですね。
それと合わせて江越の調子、“株価”が上がってきた。そんな選手を使わないわけにはいかないですね。もう江越は絶好調。振り終わったあとのバットの振り戻しが田淵幸一さんのようでした。この2人はライバル関係になります。将来は2人で右中間を組むようになると、長期的なスパンでの“超変革”の完成になるのでしょう。
今年の阪神は実況をしていても楽しいです。10日の中継でも「帰った人を悔しがらせるような試合」と表現しましたが、相手投手が絶好調の広島・中崎翔太なので、逆転できませんでしたが、ボルテージも高まってきた甲子園で他の抑えだったら大逆転だったでしょう。イニング別のチーム打率を見ると9回が最高で3割4分5厘。最後まで何が起こるか分からない阪神野球にこれからも期待したいですね。
(構成:スポーツナビ)
眠れないほど面白い野球の見方(PR)
【画像提供:三笠書房】