金本効果を最も受けているのは西岡剛 放送席から見えた“超変革”の秘密
8日の広島戦でサヨナラ打を放った西岡(右)を笑顔で迎える金本監督 【写真は共同】
チーム対抗リレーの影響がシーズンに
ベンチを見ると選手たちが高校球児のように身を乗り出して声を出しているんです。金本監督の「なんとかせんかったら去年と同じやぞ。まずは気迫やぞ」と言った指導が感じられます。逆転サヨナラ勝ち、とはいきませんでしたが明らかに変化が見えています。
この意識改革の第1歩は春季キャンプで行った選手たちのリレーでしょう。4チームに分かれて1人約400メートル。トップアスリートが過呼吸になるようなメニューですが、走ることの楽しさを選手たちに思い起こさせる効果がありました。
それがシーズンに影響を与えています。江越、横田といった足の速い野手は当然ですが、開幕戦ではメッセンジャーが盗塁しましたからね。次の回に疲れて自滅、相手投手の大野雄大(中日)に打たれてしまいましたが(笑)。
愛すべきやんちゃな金本監督
その影響を一番受けているのは同じような性格の西岡剛ですね。やんちゃな精神を持ち、野球に魅せられてしまった男同士、言葉で確認しなくともわかりあえる部分があります。野球に関してはストイックですが、いたずら心があったり、人をだまそうと考えていたりするところは共通しています。ただ、西岡は頭がよいので、合理的な考えに基づいて「ここは手を抜いてもいいだろう」と考えてしまうのです。それを金本監督は一喝しました。本人も「(金本監督に)監視されています」と笑いながら言っていましたが、彼をしっかり指導することで、他の選手もついていく。“サボり大魔王”といじることもその一環でしょう。