陸上界の逸材が異国の地で学んだこと 16歳・高松智美ムセンビの米国挑戦記

構成:スポーツナビ
 春の本格的なトラックシーズンを控え、東京五輪を目指す陸上界の“金の卵”たちも冬期練習を終えようとしている。日本陸上競技連盟が安藤スポーツ・食文化振興財団とともに実施している若手の海外活動支援「安藤財団グローバルチャレンジプロジェクト(グロチャレ)」で派遣された選手たちも、いよいよ帰国の時を迎える。

 駅伝ファンには姉・望ムセンビとともに“ムセンビ姉妹”として知られる、高松智美ムセンビ(大阪薫英女学院高)もその1人。高地トレーニングで有名な米国・アルバカーキで、初の武者修行に挑戦した。2020年のヒロイン候補が学んだこととは? 16歳の生の声を紹介する。

“リラックス”が大事なスピード練習

米国で充実した日々を送る高松(左端)。現地で指導を仰ぐチョクリコーチ(右端)らとともに笑顔でパチリ 【写真提供:高松智美ムセンビ】

 米国に来て2週間ほど経ちました。今は現地の高校に通いながら、コーチや高校の選手としっかり練習ができています。高校では、友達が履修しているスペイン語とアラビア語を学んでいるのですが、英語で教わるので大変です(苦笑)。英語は聞くのは分かるのですが、話すのはなかなか難しくて単語でしか話せず、文章にできてはいません。でも、分からない時はスマートフォンの翻訳機能を使って、コミュニケーションを取っています。

 こちらの練習でまず思ったのは、日本ではアップやストレッチに時間をかけていて、20分程度は行うのですが、米国ではそこまで長くはないということです。芝生を1周ほど走ってすぐに本格的な練習に入っていきます。

 また、スピード練習も違っていました。日本では、走ってから次の1本を走る合間をジョッグでつないでいるのですが、米国ではゆったり間を取って次の1本に入っています。コーチからは「リラックス」という言葉をよく掛けてもらっています。「あまり急いで次々にやると故障につながるから」と。確かにその方が次の1本に落ち着いて入っていけるなと思いました。

現地の高校生とも練習。男子生徒にも懸命に食らいついた 【写真提供:高松智美ムセンビ】

 高校での練習に加えて、ホストマザーが行っているバスケットボールクラブのワークアウトに参加しています。ダンベルやタイヤなどいろいろな道具を使って、体を大きく動かすトレーニングを多くこなしています。日本では腹筋・腕立て伏せ・背筋の3つを主にやっていたので、物を使った練習は初めてでした。またサーキット練習も行うので、筋肉痛になっています。サーキット練習ではしんどく感じるものもあったのですが、いろいろなスポーツの選手と一緒にやっているので、自分も頑張ろうというか、気持ちが強くなったと思います。

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