3年目のクラブ、4年目の13番と33番 鹿児島の背番号にまつわるストーリー
Jリーグ初挑戦となる13番と33番
「与えられた」番号、13番をつけるFW山田裕也(中央) 【(C)J.LEAGUE PHOTOS】
13番をつけるのは鹿児島市喜入町生まれで、27歳のFW山田裕也。高い身体能力を生かした豪快なゴールと、泥臭く走り回る二面性でサポーターから支持される。07年にれいめい高を卒業後、「鹿児島からJリーグ」を目指す九州リーグ所属のヴォルカ鹿児島に加入し、1年目から着実にゴールを重ねた。
背番号は10年まで16番、そして11年からは6番。「特にこだわりはなく、与えられた番号だったから」。ピッチ上での精力的な姿とは裏腹に、自己主張は多くない。本人にその気があれば県外の強豪クラブへ移籍していたかもしれないが、彼は鹿児島を出ることに抵抗があった。鹿児島以外の場所でやっていけるのか、という不安。そして「鹿児島でJへ行きたい」という思い。
背番号33をつける左サイドハーフの主将、田上裕も山田と同じく鹿児島市生まれの30歳。鹿児島城西高、宮崎産業経営大からJFLのFC刈谷、FC琉球を経て、10年に誕生した鹿児島県1部リーグのFC KAGOSHIMAに加入した。こちらも「Jリーグ志望」を掲げていたが、土のグラウンドで練習するレベル。それでもキャプテンマークを巻き、背番号7をつけた男はとにかく走り、戦い、クラブを勝たせた。
1年目に九州リーグ昇格、3年目の12年には山田のいるヴォルカに勝利しての九州リーグ初優勝を果たす。地域リーグ決勝大会に敗れ、JFL昇格は果たせなかったが、田上は鹿児島サッカー界の新しい象徴となりつつあった。
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