四つどもえの熱戦、見せた五輪への意地 “リオ後”を示したマラソン選考レース
選考最終レースにふさわしい好勝負
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びわ湖毎日マラソンを制した北島寿典が、リオ五輪代表に名乗りを上げた 【写真は共同】
レースを面白くしたポイントは4つ。気温、ペースメーカー、若手の仕掛け、そして何より五輪代表が懸かっている点だ。
スタート時の気温は19.8度と高め。ペースメーカーはもともと1キロ3分0秒に設定されていたが、時季外れの暑さを考慮して、3分2秒に変更された。しかしレース中に陽射しはなく、体感気温が抑えられ、上位選手は「暑さは気にならなかった」と口をそろえた。
次に気になるのはペースだった。実際スタートすると、アフリカ勢が3分を切るハイペースをつくり、日本勢は間隔を取った。2月の東京マラソンも似た展開だったが、違ったのはびわ湖の日本人集団の先頭に日本人2人のペースメーカーがいた点。東京のようにけん制せず、3分1秒〜3分5秒とコースに見合ったペースで引っ張り、ハーフを1時間3分53秒で通過。ペースメーカーのアシストが記録に奏功した。
初マラソン・丸山の仕掛けも鍵に
初マラソンだった丸山。最後は失速したものの、30キロで仕掛けて積極的にレースを動かした 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
北島は2015年にマラソンデビューし、過去2戦2勝。東洋大時代には箱根駅伝8区で区間賞に輝いている。「ここまでやれると思ってスタートしたわけじゃなかったが、満足している」と喜ぶ一方、「(2時間)8分台もいけたかもしれないし、勝率10割を維持できなかったことは悔しい」と本音もちらり。残り100メートルで外国人をかわして2位になり、優勝とは5秒差。これも五輪代表へ大きなアピールとなった。