米国で見たスポーツ観戦の新潮流 ITの進化が膨らます価値
スーパーボウルで登場「フェイスブック・スポーツ・スタジアム」
SNSの雄、フェイスブック社が先月20日に発表し、限定スタートしたのがソーシャルとコミュニケーションのスポーツ・ハブになることを目標とした「フェイスブック・スポーツ・スタジアム」だ。この新機能はスポーツのゲームごとに専用ページを用意し、そこにゲームのニュースやフェイスブック上の友達や専門家のコメントをそろえ、リアルタイムにそれらの情報を閲覧できるようにするというもの。スタジアムで友達や専門家とゲームを観戦しているかのような体験ができるとうたわれている。
テレビ観戦をしながら手元のデバイスでネット利用する、いわゆる“セカンド・スクリーン”を狙ったサービスだといえるだろう。実際デジタル・マーケティング企業のセールスフォース・マーケティング・クラウド社はゲーム前の調査で、「スーパーボウル中継の視聴者の82%が観戦中にスマートフォンを使うだろうと回答した」との調査結果を発表していたほどである。
スポーツ観戦の新たな形を感じるも……
そこでゲーム中に試したところ、事前に発表されていたように、対戦カードやゲームの日時、放送局やその時点でのスコア、アンドロイド版ではPlay by Playと呼ばれるテキスト実況も表示されるようになっていた。さらにはゲームに関連した専門家や友達の投稿なども集められており、たしかにスポーツ観戦の新たな形が感じられた。
だが、閲覧を進めていくとスコアやPlay by Playの表示はリアルタイムに更新されているとはいえず、ひどい時には数分も同じままだったりもした。さらに専門家の投稿などもなぜか古いものが上部に表示されたり、全国紙USAトゥデーが提供したカバー写真もゲーム中にもかかわらず、開始前の練習時のものが掲示されることも。とても快適な使用環境とはいえなかったのである。正式版ではないウインドウズとアンドロイド版だからかと思ったが、アイフォーンでも同じだったようだ。
今回のフェイスブックによるスポーツ・スタジアム導入はリアルタイム性で優位にあり、スポーツでの活用が多いツイッターとスナップチャットに対抗するための策だという見方が強いが、まだまだ発展途上にあることを示してしまったといえるかもしれない。