フィテッセの太田がリオ五輪OAに名乗り 「テグさんにしっかりアピールしたい」

中田徹

トマソンコーチが攻守にアドバイス

4試合連続となるフル出場を果たしたフィテッセの太田宏介(左) 【Getty Images】

 リオデジャネイロ五輪出場を決めた日本代表のオーバーエージ(OA)枠に、フィテッセの左サイドバック、太田宏介が「テグさん(手倉森誠監督)にしっかりアピールしたい」と名乗りを上げた。

 1月30日(現地時間)、フィテッセはエクセルシオールとホームで戦い、0−0で引き分けた。太田は左サイドバックとして4試合連続となるフル出場を果たした。セットプレーとクロスから毎試合チャンスを作り続けている太田だが、この日もアシストを記録できなかった。

「結構、良いボールを上げていると思うんですけどね。(味方に) 合わせてくれよと思いますよね。やっぱり(中で合わせる)枚数が少ない。まあ、俺は(クロスを)上げ続けます」(試合後の太田)

 フィテッセのコーチ陣の中に、かつてデンマーク代表の主力として活躍し、フェイエノールトでは小野伸二と好コンビを組んだヨン・ダール・トマソンがいる。トマソンコーチは太田と試合の映像を見ながら、攻守にアドバイスを送っているという。

 守備の面では「1対1になる前の細かいポジショニングの修正をすごく話し合っている。今日は相手にうまく体を当てて、突破を許してないと思う」とトマソンコーチのアドバイスが早速結果につながっているという。太田のクロスに関しては、トマソンコーチが全体ミーティングで「良いボールが入っているから、中の選手に『もっと(ペナルティーエリアの中に合わせに)入って来い』と言ってくれた」という。

「試合2日前に全体ミーティング、それから個人ミーティングをやる。その時に疑問に思っていることをいろいろ聞いてますし、向こうからも言ってくれます。そういうコミュニケーションは取れているから、日に日によくなっていくと思います」

W杯という大きな目標の前に国際舞台を経験したい

 1月3日に成田空港を発ってから、あっという間に1月最後の試合が終わった。

「この1カ月、相当疲れましたね。サッカー以外のことがありすぎた。いろいろとそろえないといけない手続きが多すぎた。引っ越しもあったり、ゆっくりできる時間が全然なかった。大変でしたけれど、そういうのも楽しく過ごせている。試合が続いてくることもあって、時間が経つのが早く感じられている。充実している証拠だと思います」

 太田が狙うのは、FC東京時代に果たせなかった日本代表への定着、そして2018年のワールドカップ(W杯)・ロシア大会行きだ。その目標を達成するためにも、太田はリオ五輪のオーバーエージ枠の座をつかみ、より多くの国際経験を積みたいと願っている。

「(U−23日本代表が)大逆転で優勝したというのをさっき知った。俺にもチャンスが広がった。W杯という大きな目標があるから、その前に一回、国際舞台を経験できるように、テグさんにしっかりアピールしたいですね。僕個人としては狙っている。そういう強気な気持ちでどんどん準備したい。テグさん、オランダに見に来てくれないかな」
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著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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