“山の神”神野「どこの選手にも負けない」 連覇狙う青学大、箱根駅伝へ抱負を語る
連覇を狙う青山学院大の選手たち。原監督や主将の神野らが抱負を語った 【スポーツナビ】
学生3大駅伝の3冠が確実視され、10月の出雲駅伝で完勝したものの、11月の全日本大学駅伝では東洋大の後塵を拝し2位に甘んじた。原監督も「チームは少し沈んだ時期もありました」と振り返る。しかしその後は「ハッピー大作戦」の名の下に、本来の明るくさわやかな雰囲気を取り戻しつつあり、“ハッピー指数”は「85パーセントまで上がってきた」と笑顔を見せる。
走力では他校を圧倒し、今大会でも優勝候補の筆頭。唯一の不安材料は、神野の復調具合だ。2年連続の5区起用が濃厚だが、全日本大学駅伝後に発症した左すね痛の影響が残る。前回は1時間16分15秒で駆け抜けたが、今年の目標タイムは1時間20分と控えめ。それでも「山に関しては自信があります」と“山の神”の称号を譲るつもりはない。本番まで残り2週間、頼れるエースのコンディションが鍵を握りそうだ。
以下、記者会見での原監督、神野、久保田和真、一色恭志のコメント。
原晋監督「現在のハッピー指数は85パーセント」
原監督は「チームのハッピー指数は85パーセントくらいまで上がってきた」と手応えをつかんでいるようだった 【スポーツナビ】
昨年は「ワクワク大作戦」と称して戦わせていただきましたが、(今年は)追われる身になって初めて重圧と言いますか、プレッシャーを経験しています。しかしこのプレッシャーを跳ね返して初めて、さらにバージョンアップしたチームに成長していくのではと思います。
全日本大学駅伝を(2位で)終わり、チームは少し沈んだ時期もありました。私自身も「昨年よりここが違う、あそこが悪い」というような、本来私の方針ではない、減点方式の指導をしていたなとハッと気づかされ「これはいかん」と、チームを明るくしていこうと考えていった結果、先日の記者会見で「ハッピー大作戦」をモットーとして発表させてもらいました。チームは本来の明るさを取り戻しまして、現在のチームのハッピー指数は85パーセントくらいまで上がってきたかなと思います。これを試合でさらに向上させ、さらには多くの関係者の皆さんも幸せになっていただくよう、大会当日へ努力していきたいと思います。
神野大地「最後は絶対に原監督にも恩返ししたい」
「山の神、山で復活大作戦」でいきたいと意気込んだ神野 【スポーツナビ】
1年間本当に故障で苦しんだので、自分の中では「山の神、山で復活大作戦」でいきたいと思います。
11月の全日本が終わった後は故障もあって良い練習ができなかったですけど、12月に入ってからは、状態も上がってきていて、80分00(秒)というのが本当に確実に達成できる目標だと考えています。昨年は自分のところで優勝を決めるという思いで考えていたんですけど、今年に関してはつないでチームが大手町に帰ってきたときに優勝できれば良いかなと、そういう思いです。(何分差だったらいけそう?)1分……あんまり言い過ぎると全日本みたいなことが起こるので。前で持ってきてくれると信じているので、自分はそれを確実にゴールに運ぶだけだなと思っています。
11月の中旬あたりに関しては、少し(出場が)厳しいかなという思いもあったんですけど、ここで諦めたら一生後悔するなという思いが自分に出てきて。11月の後半、12月に入ってからは徐々に箱根への思いは高まってきていますし、今回絶対、(後悔)したくないなという思いがあるので、どんな形であれ最後まで努力し続けようと決めてからは、徐々に体の状態も走りの状態も上がってきて、今は本当に箱根に向けて本当に順調に来ています。
自分が主将という立場でありながら、苦しい練習とかもほとんど他の4年生に引っ張ってもらう形で、寮生活でも寮長の伊藤弘毅が引っ張ってくれて、周りの4年生がなかったら今のチームはないかなと思いますし、今の4年生の地位もないかなというのはあります。最後は主将の意地というのは見せたいと思います。また原監督が1年間通して、自分はケガで落ち込む時期もあったんですけど、常に生活なんかで明るい言葉をかけてくれて、元気に毎日過ごせたかなと思います。走ってほしいのに走ってくれないというような状況にさせたと思うので、最後は絶対に原監督にも恩返ししたいという気持ちがあります。本当に優勝しかないかなと思います。
(この1年注目され続けたが?)プレッシャー等もあって、故障したら焦ったりもしたんですけど、今この1年間を振り返ってみても、去年の結果がなければ僕はもう今年の箱根駅伝は諦めていたと思います。やっぱり去年の結果があって、周りも期待してくれていますし、最後は絶対に走りたいという思いです。喜びを一度知ったので、その喜びをもう一度味わいたいという気持ちが自分の中にあります。平地だったら今のメンバーの中で走ることは本当に0パーセントなんですけど、山に関しては自信がありますし、それを気づかせてくれたのも去年の箱根だったんです。なので山に関しては、最初の5キロをなしにして(苦笑)、山の上りの区間であれば、今年もどこの選手にも負けるつもりはありません。