【RIZIN】曙vs.サップ第2戦はSBルールで対戦 新生K−1からHIROYA、武尊が参戦
【スポーツナビ】
2003年大みそかに瞬間最高視聴率43%を記録した“伝説の一戦”の再戦。前回はK−1ルールでサップが曙を1ラウンドKOという衝撃の結末を迎えたが、今回は立ち技ながら関節技、絞め技、投げ技がありとなるSBルールによる3分3ラウンド制の試合に決定。試合を裁くのは、SBの創始者・シーザー武志会長が務める。
12年の時を経ての再戦に曙は「(12年前の敗戦を)ずっと苦しみ、悔しみ、心の奥の奥にしまいこんで前に進んだ。いずれはやりたい、リベンジしたいと思っていた矢先にこの話が来た。僕はボブが相手じゃないとやらないと話し、この試合になった。大みそかは2度と苦しい、悔しい思いはしたくない。絶対に勝ちに行く」とリベンジを誓った。
またこの日の追加対戦カードとして、新生K−1として団体を引っ張ってきたHIROYAが、総合格闘家ながら立ち技でも強さを見せる西浦“ウィッキー”聡生と、また55キロ級王者の武尊が、中国の新星、20歳のヤン・ミンと対戦することが決まった。この2戦はどちらもK−1ルールでの対戦となる。
以下、会見でのコメント
榊原委員長「持ち味を存分に発揮してもらうためのSBルール」
【スポーツナビ】
高田延彦統括本部長
シーザー武志シュートボクシング会長
前田憲作K−1プロデューサー
曙
ボブ・サップ
HIROYA
武尊
榊原実行委員長
「いよいよ12月に入って残すところ3週間。期待感を持って、大みそかに向けて、もう一度、日本の格闘技界が一つになって、日本から世界に向けて、日本の格闘技の魅力で、その姿を見て勇気や元気を世界中に発信してきたい。
改めて、曙選手とボブ・サップ選手のリマッチを正式には発表します。2人にとって、12年の時を経てリマッチすることになりますが、2人の良さが出るのは何なのか、どんなルールでやるのが一番いいかを考えて、シュートボクシングのシーザー会長に相談し、今回はSBルールでそれぞれ持ち味を存分に発揮してもらい、戦って漏れるような環境を準備できればと思っています。
また正式に今日、K−1のみなさんの参戦を発表します。新生K−1になって1年。決して長くない、短い時間で一気に熱を作り出しています、その勢いで、熱い熱を作り出しているK−1のみなさんがRIZINに参戦することをうれしく思う。
その中でもここまでの新生K−1を引っ張ってきたHIROYA選手、そして現在のK−1の象徴的な存在である武尊選手の2人の試合を発表させて頂く。
HIROYA選手には総合の香りもする、総合の選手として、K−1ルールで挑ませていただく西浦“ウィッキー”聡生選手と、武尊選手はせっかくRIZINの舞台に立つので、K−1の中で戦っている選手ではない対戦相手をピックアップし、中国の新星、若きチャンピオンであるヤン・ミン選手。RIZINに出てくる以上はきつい相手を用意してお待ちするので、手の抜ける相手で勝つ姿を見てもらうという簡単な相手ではないので、2人には3週間しかありませんが、勝って終わるか、大みそかに土をつけるか。僕らからしても自信を持って送り出す相手なので、楽しみです」
高田統括本部長「1対1になったら来年3度目の対戦を」
【スポーツナビ】
「概ねカードのラインナップがそろいました。あえてわれわれが大きなリスクを冒して、8年ぶりにでかいイベントをする。幸運なことに、年末から格闘技のイベントとしては象徴的な、日本の国民が最もテレビを見る時間の多い、年末の大みそかがスタートできるのが大きいと思っています。始めた大きな動機としうては、世界の格闘技界のパワーバランスをぶっ壊す、そこに大きな風穴を開けて、われわれがスタートする。これだけ多くの若い素晴らしいファイターがいる。彼らがもっともっと目立つ場所に出て、素晴らしいファイトをして、世界中にその名前を発信する、そんなランドマーク的なイベントを必ず作るというのが、大きなモチベーションです。
ですから、個々の選手が戦うモチベーション。これは何もぶれることはない。イベントの発信力としては、お祭り感が必要なわけです。小さな子供から、おじいちゃん、おばあちゃんまで見てもらう。そして日本の格闘技は元気だなと、それを見せなきゃいけないです。
それを考えると、後ろにいるこの4人。この振り幅、見事にわれわれが今回出したかった、振り幅の大きさがラインナップとして成立したと思っています。残り20日ほどですが、これからさらにイベントの素晴らしさを打ち出して、アピールしていきたい。
試合に関してですが、本当にHIROYA選手、武尊選手はK−1トップファイター。本当にかっこいいし、強い。男が男に惚れるオーラを持っているし、女性人気も当たり前。洗練されているし、ひとたびリングに上がれば、スイッチが入れば、獰猛な、強い、相手を木端微塵にするようなパワーを持っています。これなら1年しか立っていなくても、K−1は盛り上がるわけですよ。本当にあの2人を見ているだけで伝わってくる。
HIROYA選手対ウィッキー選手についてですが、HIROYA選手はどちらかというとテクニカルな選手だと思っていましたが、パワーを付けて、パンチ1発で相手を倒すと。テクニックとパワーがプラスされたということで、少しファイトスタイルが変わってきたのかなと。ただ、HIROYA選手も警戒していると思いますが、ウィッキー選手は、K−1のチャンピオンクラスと好勝負をした経験があり、非常にトリッキーです。盤石にHIROYA選手が自分のペースを崩さずに相手を仕留めることができれば、当然良い結果が出ると思いますが、ただ相手のペースに乗ってしまうと危険な相手だと思います。
武尊選手の相手ですが、中国人のファイターでほとんどデータがない。武尊選手のレベルとしても嫌なものだと思います。まして中国は打撃の競技が盛んで、どんな選手が来るか。でも2つ、3つモチベーションがあると思います。相手に勝つ、自分らしく自分の強さを見せてかつと。その結果、29日、31日と非常に素晴らしいファイターが出ますが、最終的には、「なんだよ、HIROYAと武尊の試合が一番良かったじゃねえかよ。K−1最高だよ」と思わせて帰らせると。そういうところがモチベーションですね。その内なるカード同士の競争も楽しみですね。
最後になりますが曙vs.サップ。今回、振り幅を大きくした、さらにお祭り感をわれわれに届けてくれた大きなカード。伝説の一番です。民放の放送で紅白歌合戦に勝ち、頂点を極めている、頂きに上り詰めたカード。43%と、ありえない数字ですよね。
この伝説のカードが12年ぶりに帰ってくると。もちろんいろいろな意見があるでしょう。それが面白い。当然、横に並んでいるファイターも、曙vs.ボブ・サップが来るから面白くなるぞと。絶対あの試合に負けないぐらい、われわれもやろうと。そういう内なる戦いが生まれてくるのです。それが個の戦い、内なる戦い、最後に仕上がった時に、イベントの総合力として、評価が上がるわけですから。このカードの存在意義は大きいと思っています。
今回注目なのは、シュートボクシングルールだということ。お互いの持ち味が存分に出るように、あえてSBルールに決めて、そしてSBの創始者であるシーザー会長が裁いてくれます。くれぐれもシーザーさんには、素晴らしいフットワークでレフェリングをしてもらい、くれぐれもリングの中で躓かないように。(笑)
私は当事者としても、今からファン目線で、気持ちが高揚しております。最後にこの4人が、最高のコンディションで、最高の試合ができることを望んでいます。
付け加えて、サップには申し訳ないですけど、曙さんがリベンジ果たしたら、1対1ですよね? 来年、3回目を期待してもいいんですかね? 2人には何も言ってないですけど。いい試合になったら、みんな3回目が見たいんじゃないかなと」