陽岱鋼が身に着けた「当たり前のこと」 台湾代表にもたらす日本野球のエッセンス
陽岱鋼人気は別格
オリオールズ・チェンと並び台湾では人気の高い陽(右) 【永塚和志】
日本のプロ野球ファンにもなじみのある陽岱鋼は、スター選手の一人であり中心選手。2015年シーズンこそ故障の影響で86試合の出場に終わったが、北海道日本ハムでプレーする28歳はいまやリーグを代表する外野手と言える存在となり、地元・台湾でも別格の扱いを受けている。
古くは西武に所属した“オリエンタル・エクスプレス”こと郭泰源(現台湾代表監督)や元中日の郭源治、元巨人の呂明賜らが台湾出身選手として日本球界で活躍したが、テレビ中継やネット中継の発達に伴って、陽の名声はそうした先人たちをしのぐといってもいいだろう。陽の活躍のおかげで日本ハムの試合はほぼ毎日テレビやネットで中継されているそうで、現在では同チームのみならず他のNPBチームの人気も高まっている。
今回の代表には入っていないが、台湾出身選手ではかつて中日でも活躍したチェン・ウェイン(オリオールズからFA)もいる。彼もビッグスターだが、地元メディアに聞けば陽とチェンの人気は「どちらが上」とは言い切れないほど拮抗(きっこう)しているとのことだ。
チームメイト・中田にも注目
野茂英雄氏が1995年にメジャーリーグへ移った際に当時ドジャースのトミー・ラソーダ監督や捕手のマイク・ピアッツァらが「野茂の同僚」として日本でも広く名を知られたが、それに近いものがあるのかもしれない。
いずれにしても、13年のワールドベースボールクラシック(WBC)から引き続き、文字通りリードオフマンとして台湾チームをけん引するのが陽だ。彼の打棒がさえればチームにより一層の勢いとエネルギーを与え、球場に詰めかけるファンをより歓喜させる。