高橋由伸新監督、厳しい眼差しの先に――ジャイアンツ球場の始動に密着

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「ちょっと緊張感があって疲れました」

10月26日に巨人の監督に就任した高橋由伸。まずは対話と観察を重視し、実りの秋にする 【写真:BBM】

 ほんの数日前まで同じユニホームを着て、同じグラウンドに立ち、同じ目線で戦っていた。しかし、原辰徳前監督の退任に伴い、10月26日、新監督に就任。立場はガラリと変わり、指揮官となってこれまでのチームメートと接した。

 10月28日。神奈川県・川崎市にあるジャイアンツ球場で行われている秋季練習を、高橋由伸新監督が初めて視察。「ちょっと緊張感があって、疲れました」と苦笑したが、偽らざる本音だろう。

 練習開始は午前9時半だが、早々と7時過ぎには球場入り。まずはこれまで使用していた選手用のロッカールームから、監督室へと自身の荷物を運ぶことからスタートだ。その後はコーチミーティングに臨み、今後の方針を話し合う。続いて室内練習場に移動し、円陣の中に立ち、選手、コーチ、スタッフに訓示した。
「私自身、強い覚悟を持って(監督就任を)決断しました。ここにいる選手、スタッフ、すべての人が強い覚悟を持って日本一に向けて進んでほしいと思います」
 静かに、しかし、心に訴えるように熱く語りかけた。

対話で地道に新たな関係を構築

スーツ姿で球場に登場。全選手・スタッフを前に訓示 【写真:BBM】

 この日はユニホームを着ることはなく、終始、スーツ姿で選手の動きをジッと見守った。監督となり、選手からの接し方も変わり、「お互いが、うんッ?、という感じ。今までとは違うなと思った(笑)」と違和感も。中には思わず、これまでどおりに「由伸さん」と呼び掛ける選手もいたが、しかし、それも当然の反応で、仕方のないこと。だからこそ、対話を重ねることを大事にした。

 屋外に移動して始まったウオーミングアップ中には坂本勇人、澤村拓一、菅野智之とプレミア12に出場する侍ジャパン組に接近。「この後、彼らは試合がある。こっちが考えている調整とは違うと思うので、そのへんは自分たちで考えてと声を掛けました」。その後も、阿部慎之助、長野久義、片岡治大、内海哲也にと、次々と練習の合間にコミュニケーション。
「少しずつ話す中で、いい関係になれたらいいなと思うし、時間が解決してくれると思う」。
 焦る気は、もちろんない。ゆっくりと、地道に新たな関係を構築していくだけだ。

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