兄はダービー馬エイシンフラッシュ 2億円の期待馬マツリダバッハの評価は…

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」の2歳馬チェック

 5月に行われた千葉サラブレッドセールにて、約2億円で落札されたマツリダバッハが待望のデビューを飾った。ダービー馬エイシンフラッシュの弟としても注目を集めている同馬の評価は……。

期待高まるダービー馬の半弟 マツリダバッハ

デビュー戦を勝利した2億円馬マツリダバッハ 【撮影:日刊ゲンダイ】

10/4(日) 中山5R 2歳新馬 芝1800m
マツリダバッハ 牡 馬体重:482kg
★★★★★ 5点〔1600万クラス〕
騎手:蛯名 厩舎:(美) 国枝 
生産: 社台ファーム
父:ディープインパクト
母:ムーンレディ(Platini)

 千葉トレーニングセールにて1億9000万円(税別)で落札されたダービー馬の半弟。当初は6月の東京デビューを予定していたが、無理せず放牧へ。再仕上げながらそれほど速い調教時計もなかった分、2番人気に甘んじたが、レースでは3〜4番手のインで待機し、直線を向くと間を割って危なげなく抜け出した。2F目が14秒6、前半3Fが40秒1という遅いペースだが、後半1000mが60秒3だから、全体時計ほどヌルい決着ではなかった。最後は11秒8〜11秒6と加速しているだけに、勝ちっぷりは地味な部類でも悪くはない。

馬体診断
 馬体重は5月のセール上場時とほぼ変わらず。482キロという馬体重の割りにトモが小さく写るが、全体的なシルエットから考えるとバランスの良い馬体。迫力満点で見栄えが抜群だった半兄のエイシンフラッシュとは父が違う分、ディープ産駒らしい軽さが顕在している。ただ、本当に良くなるのは古馬になってからかもしれない。やや立ち気味の蹄で、多少馬場が渋っても大丈夫。馬体的には2000m前後がベスト。

血統診断
 母ムーンレディは独セントレジャー(GII・芝2800m)やアメリカでロングアイランドH(GII・ダ2200m)などを勝利。繁殖牝馬としてダービー・天皇賞(秋)を制したエイシンフラッシュを産んでいる。本馬の全兄にあたるダノンムーンは現在、準OP馬だが、1年以上の長期休養が2度。体質面でやや奥手な可能性も。母の父Platini(プラティニ)はドイツ血統で、ミラノ大賞(伊GI・芝2400m)などGIを2勝。ジャパンカップにも出走しており、レガシーワールドの4着がある。血統的には2000〜2400m級での活躍を期待したい。

馬券の狙い目→距離適性は2000〜2400m。クラシック戦線で、となるともう一皮剥けて欲しいが……。

粗削りなレースの中に素質がチラリ アドマイヤビスタ

前を行く馬をゴール前でキッチリ捕えたアドマイヤビスタ 【撮影:日刊ゲンダイ】

10/3(土) 阪神5R 2歳新馬 芝1800m外
アドマイヤビスタ 牡 馬体重:490kg
★★★★★ 5点〔1600万クラス〕
騎手:C.ルメール 厩舎:(栗) 友道
生産:ノーザンファーム
父:ネオユニヴァース
母:レインボークォーツ(Mr. Greeley)

 この条件の新馬戦にしては珍しく、テンと終いが引き締まったレースになった。最内枠から好位のインで脚を溜める競馬。4角を回り切る前に手前を替えたので、少し窮屈な走りになる瞬間も。直線でも外に張るような所はあったが、坂上でようやく前を捉えて差し切り勝ち。レースを使った経験が生きるタイプで、ロスのある競馬でこの勝ちっぷりは上々。

馬体診断
 ムダな肉付きがなく、初戦の仕上がりとしては十分すぎる馬体。欲を言えばもう少しメリハリは欲しいかもしれないが、力強い踏み込みは目立っていたし、滑らかな前肢の出から柔軟性もあるタイプ。脚長に見せる割に曲飛気味で、適性は直線の長いコースの1600〜1800m位か。

血統診断
 母は脚元に不安があり、ダートで4戦して未勝利。祖母マンデラはドイツ産で、現役時には独オークス(GI・芝2200m)で3着に入っている。そして、本馬の叔父にワールドエース(マイラーズC1着、皐月賞2着)がいる血統。母の父Mr.Greeley(ミスターグリーリー)はアメリカで走り、1200〜1400mのGIIIを3勝。引退レースとなったBCスプリントでは2着に好走。母系からはスピード&スタミナと、バランス良く受け継いでいる印象。

馬券の狙い目→マイル前後で直線の長いコース向き。淀みないペースで差しに構えたい。

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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