ミスの目立ったセリーナが綱渡りの栄冠 男子はジョコビッチが初V目指し決勝へ

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セリーナ優勢も体調に不安

20度目となるグランドスラム優勝を果たしたセリーナ 【写真:ロイター/アフロ】

 テニスの全仏オープンは6日、女子シングルス決勝が行われ、第1シードのセリーナ・ウィリアムズ(米国)が第13シードのルーシー・サファロバ(チェコ)をフルセットの末に破り、2年ぶり3度目の優勝を飾った。セリーナのグランドスラム優勝は通算20度目で、シュテフィ・グラフ(ドイツ)の22度に次いでオープン化以降では2番目の記録になった。

 ここまでの対戦成績はセリーナの8戦全勝だったが、問題は、風邪が悪化して前日は練習できなかったセリーナの体調。お互いにそれを探るような立ち上がりだった。

 第1セット、グランドスラムで初めて決勝の舞台に立ったサファロバの硬さは想定通りだろう。セリーナは第4ゲームに40−15のチャンスをつかむと、ここぞとばかりリターンのウイナーを決めて先にブレークした。それでも、やはりセリーナには精彩がなかった。持ち味のファーストサーブの確率は50%台で思うようにスピードが上がらず、相手のミスに救われながらの展開が女王らしくない。大事には至らなかったが、第5ゲームにはダブルフォルトを2本おかして観客を不安にさせながら、それでも第1セットは6−3で奪って先行した。

サファロバに流れが移ったかに見えたが……

 セリーナは第2セットも第1ゲームをいきなりサービスブレーク。さらに第5ゲームもブレークし、4−1としてリズムをつかんだように見えた。しかし、グランドスラムで24度目の決勝という経験の持ち主も、勝ちが見えてきたところで気持ちが先走ったのは、やはり体調への不安があったのだろう。第6ゲームに3本のダブルフォルト。その後、デュースに入ってさらにダブルフォルトをおかしてブレークを許すと、第8ゲームも15−40からダブルフォルトで追いつかれてしまう。第11ゲーム、サファロバのサービスゲームをブレークして再びリードしたかと思えば、続く第12ゲームは30−15から3ポイント連続で奪われるちぐはぐさでタイブレークにもつれ込み、そこもダブルフォルト絡みで2−7で落とした。まるで新人のような不安定さだった。

 ファイナルセットに入ったころにはサファロバの硬さも消え、第1ゲームをいきなりブレークして流れが移ったかに見えた。しかし、リードしてはプレーが揺らぐのが、女子テニスの歯がゆさであり面白さだ。第4ゲームの30−0からサファロバの腕が縮こまり、ダブルフォルトでブレークバックを許したのが非常に痛かった。

 ここからセリーナは目が覚めたようにレベルを上げて、プレッシャーを掛けてミスを引き出すと、第6ゲームも連続ブレーク。このセットを6−2で奪い、タイトルを手にした。

 大会を通してミスの目立ったセリーナだが、決勝でもウィナー34に対しアンフォーストエラーが42。体調不良とは言え、綱渡りの栄冠だった。

男子決勝はジョコビッチvs.ワウリンカ

フルセットまでもつれ込んだ男子準決勝はジョコビッチ(右)がマレーを制し、決勝進出を決めた 【写真:ロイター/アフロ】

 この日は女子の決勝に先立って、前日にサスペンデットとなった男子準決勝の続きが行われ、ノバック・ジョコビッチ(セルビア)がアンディ・マレー(イギリス)の追撃を振り切って決勝進出を決めた。

 ジョコビッチがセットカウント2−1とリードした第4セット3−3から再開されたゲームは、最初から息詰まるラリーの応酬になった。結局、マレーが第11ゲームをブレークしてフルセット勝負に持ち込む。だが、ジョコビッチはファイナルセットに余裕を残しており、あらためて鉄壁の守りでマレーの反撃を断ち切り、最後はゲームカウント6−1でこの試合を制した。ジョコビッチはこの大会で2年連続3度目の決勝進出を決め、初優勝を目指して7日にスタン・ワウリンカ(スイス)と対戦する。

(文:武田薫)

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