帰ってきたキズナ、復帰戦上がり33秒3 武豊「乗っていて『さすが』だなと」

スポーツナビ

骨折明けの9カ月半ぶり復帰戦で3着に敗れたキズナ、しかし、その末脚は“さすが”の威力だった 【スポーツナビ】

 第108回GII京都記念が15日、京都競馬場2200メートル芝で行われ、昨年のGI天皇賞・春以来9カ月半ぶりの実戦となったキズナ(牡5=栗東・佐々木晶厩舎)は、直線よく追い込んだものの届かず3着惜敗。復帰戦を勝利で飾ることはできなかったが、手綱をとった武豊は「残念。でも、これからですね」と前を向いた。

 また、キズナとともに“2強”の一角として1番人気に支持されていた川田将雅騎乗のハープスター(牝4=栗東・松田博厩舎)は中団から脚を伸ばせずまさかの5着。2強が崩れる中、伝統のGIIレースを制したのは、先行2番手から押し切った戸崎圭太騎乗の3番人気ラブリーデイ(牡5=栗東・池江厩舎)だった。良馬場の勝ちタイムは2分11秒5。ハナ差の2着には、藤岡佑介騎乗の4番人気スズカデヴィアス(牡4=栗東・橋田厩舎)が逃げ粘った。

「最後の伸びが鈍ってしまった」

直線大外から伸びてきたキズナ(右)だったが、あと一歩届かず 【スポーツナビ】

 最後の直線、外からグイグイと脚を伸ばしてきたのはキズナ。後方2番手から、武豊の追い出しに応えるように一歩、また一歩と差を詰めてくる。その姿からは、重度の骨折(左前脚の第3手根骨骨折)明けというブランクは全く感じられなかった。“あぁ、やっぱりこれがキズナだ……”。そんなことを思いながら、カメラを構え、ファインダー越しにピントをキズナ1頭に合わせる。レースは残り1ハロンといったところだった。

 もうこの時点で僕は、キズナが間違いなく差し切ると思い込んでいたわけだけど、結果としては差し切れなかった。タイム差なしの、ハナ+クビ差。あれ?と思い、直後にターフビジョンで流れたリプレイを見てみると、最後の100メートルで脚が止まってしまったような印象だった。ブランクは感じないと思ったが、突き抜けられなかった最後のもう一歩が、9カ月半ぶりの影響だったのだろう。

「差し切れるかなと思ったんですけど、最後の伸びが鈍ってしまいましたね」と、武豊も悔しさをにじませながら振り返っている。

1/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント