スタローンから学んだ格闘技王者 “勝利への脱出魂”は永遠に

しべ超二

【スポーツナビDo】

パンクラス王者・川村亮の場合

 6月29日(日)に総合格闘技パンクラス「PANCRASE 259」(東京・ディファ有明)で防衛戦を控えるミドル級キング・オブ・パンクラシスト・川村亮(パンクラスism)は、幼少期にシルベスター・スタローンに人生を変える影響を受け、今も戦い続ける“スタ者”だ。そんな川村がスタローン映画から学んだ、トレーニングと戦いの魂を激白。これを読み、俺たちがスタローンを愛したようにみんなもスタローンを愛してほしい!

『ロッキー4』で逆さ吊りになって腹筋するシーンがあって…

米国でしか販売されなかったという『ロックアップ』のおもちゃ 【スポーツナビDo】

 初めてスタローンを知ったのはいつだったかハッキリ覚えていないものの、人生で最初に映画館へ行ったのは、前回芸人スタスタローンも薦めた『オーバー・ザ・トップ』であったと川村は言う。

「車を運転しながら器具を引っ張って鍛えるシーンがあるんですけど、“運転してる時からそれかよ!”みたいにスゲぇなと思って(笑)。なにか居ても立ってもいられない、変な感じがしました。
 その時は単に“スゴいな”というのがあったんですけど、『ロッキー4』で天井の梁に逆さ吊りになって腹筋をするシーンがあって、それを実際に小学校の時やって、動けなくなって死にそうになったことがありました(苦笑)。あとはロッキーがやる片手での腕立てもインチキしながらやったりしたり」

川村がイチオシする『勝利への脱出』、スタローンとペレが奇跡の共演を果たした名作である 【スポーツナビDo】

“三つ子の魂百まで”ならぬ“スタローンの魂百まで”というべきか、その後川村はスタローンと同じように衝撃を受けたパンクラスへ入門。ライトヘビー級とミドル級、2階級で王座を獲得した。そんな川村がイチオシするスタローン映画が、サッカーのゴールキーパーに扮した『勝利への脱出』だ。

「この話をもらった時、時期的にもワールドカップでピッタリだなと思って(笑)。スタローンの映画っていったらやっぱりロッキー、ランボーってありますけど、本当に好きだったらこれなんです。この映画は本当にスゴいんです。ぜひ観てほしい」

「このまま逃げると、一生心に傷を負うことになる」

スタローンのことをしゃべり始めたら止まらない! 【スポーツナビDo】

 一体どうスゴいのか? 今回取材に同行したが『勝利への脱出』は未見であったスポーツナビ編集者に川村が熱弁した以下の見どころを聞いてほしい。

「この映画は第二次世界大戦の連合軍捕虜の話なんです。それで連合軍の捕虜たちは休み時間のサッカーぐらいしか楽しみがないんですけど、ある日ドイツ軍のナショナルチームと試合をしないかっていう話が持ち上がって試合をすることになる。それで試合が決まるんですけど、連合軍は捕虜だから、試合のハーフタイムにスタジアムの下水を使って脱出しようと試みるわけです。

 でも、いざ試合が始まると審判がめちゃめちゃドイツ寄りで、前半を終えて1−4でリードされてしまう。そこでハーフタイムになって、逃げるのが目的だし第一だから、よし逃げるぞってなった時に、みんなが『おい、このままでいいのか!』って言うんです(笑)。『このまま試合で負けていいのか』って。スタローンは逃げたくてしょうがないんですけど、みんなが『勝てるチャンスはある』って言って、それを聞いてハッとなって立ち止まって、そこで大きな言葉として『このまま逃げると、一生心に傷を負うことになる』って言うんです。もうカッコよすぎるでしょ(笑)」

いまでもやっているという『勝利への脱出』腹筋、とっても楽しそうである 【スポーツナビDo】

 どうだろう、今すぐ『勝利への脱出』を観たくなってこないだろうか。川村の解説はこの後も続くが、どういった結末を迎えるかは実際に観て確かめてほしい。

「これを観なきゃ男じゃないですよ」とも語る川村だが、劇中で披露される2人でペアとなり、手を組んで足を上げ下げする腹筋(写真参照)は、今も実際にトレーニングに取り入れ行っているという。
「スタローンたちが試合へ向けて練習するんですけど、腹筋をするところがあって、その腹筋がすごく楽しそうだったからよくやっています。2人でやるんですけど、女の子とやると手をつなげるし(笑)、楽しいからずっとやっちゃうんです。普通に腹筋をやって、これを最後にやると意外にシンドくて。でも、キツいところでやっても、楽しいから結構やれてしまうんです」

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著者プロフィール

映画ライター。ペンネームは『シベリア超特急2』に由来し、生前マイク水野監督に「どんどんやってください」と認可されたため一応公認。日本のキング・オブ・カルト、石井輝男監督にも少しだけ師事。プロフィール画は芸人ネゴシックスの手によるもの。

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