夏は夜景サイクリングがオススメ! 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

【松原渓】

サッカーW杯に興奮冷めやらない毎日

 ワールドカップ(W杯)・ブラジル大会が始まり、興奮冷めやらない毎日が続いている。開催地のブラジルは、日本から見て地球の真裏にあり、時差はマイナス12時間〜13時間。W杯の〜グループリーグの試合が行われる時間は現地時間の午後で、日本時間では深夜の1:00〜/4:00or5:00〜/7:00〜といった時間帯になり、生活のリズムは大逆転している。でも、やっぱりサッカーはライブが一番! 睡眠不足も苦にならないような面白い試合が多い。

 先日、ブラジルに試合を観に行った知人から、写真つきのメールが送られてきた。スタジアムの熱気やサポーターの写真など、現地の熱が伝わってきて、羨ましい!!
 W杯は各国が4年間をかけて作ってきた“作品”を競い合う舞台だ。4年間は短いようで長い。すべてのサッカー選手にとって究極の目標となる大会だけに、選手の数だけドラマがある。大会を通じてどんなヒーローが生まれ、どの国が新たなサッカーのトレンドを作るのか、最後まで目が離せない。

 ブラジルは国土の大半が南半球にあり、現在の季節は冬だが、広大な国土のため地域によって気候差は激しい。一方、日本は蒸し暑い日が続く。私が毎週末通っている女子サッカーのなでしこリーグでは、6月に入ってから試合中に給水タイムが設けられるようになった。熱中症のリスクを減らし、質の高いパフォーマンスを維持するためには、こまめな水分補給が欠かせない。

夏の夜のスポーツといえば……

水面に映る夜景も奇麗 【松原渓】

 暑い時期のスポーツは、なんといってもナイターが気持ちいい。夜のフットサル場は空気がひんやりして気持ちがいいし、近所の公園では、夕方以降に走るランナーの数が増えてきた。

 でも、私が一番好きなのは、夏の夜のサイクリングだ。目的地を決めずにゆっくりとペダルを回すのもいいけれど、夜風が気持ちのいい日はちょっと遠出したい気分になる。

 春のお花見や夏の海、秋の紅葉やグルメの旅……。サイクリングにぴったりな時期とロケーションの組み合わせは数あるけれど、この時期オススメしたいのは「夜景サイクリング」。

 私は奇麗な夜景を見に行くのが好きだ。素敵なスポットを見つけるために遠出することもあるし、好きが高じて「夜景検定」の資格に挑戦したこともある。闇に浮かび上がる美しい夜景の変化を眺めながら走るサイクリングには、ドライブや電車とは違った神秘的な魅力がある。

ベイエリアは夜景の宝庫

夜の東京タワーは幻想的 【松原渓】

 今まで訪れた中で特に好きな場所は、お台場〜湾岸、埠頭エリアだ。ライトアップされたレインボーブリッジや東京タワー、スカイツリー、東京ゲートブリッジなどが美しく見えるスポットが複数ある。同じ建物や橋も見る場所や角度によって輝き方が変化して、何通りもの夜景を楽しめる。

【松原渓】

 オススメは、築地・銀座方面から晴海通りを通って、新豊洲方面へ抜けるルート。新豊洲駅近くにオープンした、話題のフットサル場「MIFA Football Park」(MIFAは日本サッカー協会公認の日本代表応援ソングを制作したMr.Childrenの桜井和寿さんとGAKU−MCさんが所属する団体)の横を通って、お台場方面に向かう。

 道路の上をゆりかもめ線が通っているので、そのレールに沿って走ると迷わない。テレコムセンター駅の横には大江戸温泉があるので、寄り道も大いにあり。台場駅を通り過ぎ、お台場海浜公園沿いの道からは、ライトアップされたレインボーブリッジが奇麗に見える。

 帰りはそのレインボーブリッジを渡って帰る。自転車に乗って渡ることはできないので、専用の貸し出し車に乗せて手押しで通行する。料金は無料。ちょっと面倒くさいけれど、格別の夜景が見られる! 潮風をブレンドした夜風が気持ちいい。そして、渡り終えたら芝公園方面へ。帰り道には、ライトアップされた東京タワーや増上寺も見ることができる。

 走行距離にして、およそ15キロほどだと思う。このルートの間に、工場夜景、埠頭夜景、パノラマ夜景など、幻想的な非日常の世界が広がっている。まだ明るい夕方ごろに出発すれば、空と海がつながっていくような夕景の色の変化も楽しめる。

橋から見る夜景も美しい

勝どき橋。橋から見る夜景は、風景が水面に映えて美しい 【松原渓】

 もう一つは、「橋から見る夜景」。ベイエリアを縦断するように流れる隅田川には、永代橋、勝どき橋、清洲橋、晴海大橋など、重要文化財にも指定される橋が架かっている。橋から見る夜景は、風景が水面に映えて美しい。橋を渡る途中で止まって写真を撮ることができるのも、自転車ならでは。
 晴海ふ頭公園は大型のフェリーが停泊し、客船ターミナルからはレインボーブリッジや東京タワーなどの夜景が一望できる。意外と人が少ない穴場で、夜景八選にも指定されているそうだ。また、このあたりは2020年の東京オリンピックの選手村が建設予定になっていて、先日サイクリングに行ってみたら、まさにこれからオープンする新しい道路が完成していた。

 夜のサイクリングは楽しいけれど、危険も伴う。ライトは前と後ろの2カ所につけて、くれぐれも安全運転を。今年の夏は夜景スポット探検をもっともっと楽しみたい。
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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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