羽生、高得点で首位「優勝争いに絡んでいかなきゃいけない」=全日本選手権・男子SP
羽生がSP首位発進。2位高橋に大きな差をつけた 【坂本清】
2位は、連覇を狙う高橋大輔(関大大学院)で88.04点、小塚崇彦(トヨタ自動車)は84.58点で3位に入った。
羽生、非公式も“世界最高得点”「非常にうれしかった」
「得点は非公式ですが、自分の記録を抜いたという面で非常にうれしかったですし、世界記録とかそういうこととは関係無しに、自分が緊張していた中でああいう演技ができたことがうれしかったです。
去年も最終滑走でミスをしてしまってちょっと印象が悪いイメージがあったので、緊張してしまいました。6分間も駄目でしたし……。でも今までのイメージとは関係無しに跳びました。
グランプリファイナルのフリーの前の練習がすごく悪くて、それでもしっかりできたというイメージを持っていたし、あとはしっかり練習してきた中でノーミスの数が多くなってきたので自信を持ってやろうと思っていました」
――オーサーコーチからは?
「とにかく終わった後は『あれは緊張してもしょうがないよ』と言われました。本番前は『しっかりと良いイメージを持って、やることをやってきたんだから』と声を掛けてもらいました。
とりあえず得点のことについてはあまり触れませんでした。確かに二人でちょっと驚きましたが、明日もあるから、集中してやりなさいと言われました。
このような得点を出しつつここまで来て、また違った印象で今年は臨ませてもらって、本当に優勝争いに絡んでいかなきゃいけない年だと思っています。緊張しましたが、それでも高橋(大輔)先輩や小塚(崇彦)先輩、織田(信成)先輩がいたからこそ、ここまでやってこられたと思っていますし、まだまだ追いつけてないところがたくさんあるので、たくさんの先輩のように強い日本になっていけるようにしたいです」
「自分の中で時が止まっていたような感じで、緊張していて何がなんだか分からない感じて本番に臨んでしまったので、『あー、顔を作れなかったな』とか『雰囲気、出せなかったな』と思いながら手を上げていました」
――会場の歓声もすごかったが?
「滑る前から声援を聞いている余裕がなかったです。緊張し過ぎていました」
――緊張感に強いほう? どういう風に付き合う?
「緊張はプレッシャーとかとイコールになると思うんですけど、プレッシャーは期待があるからこそ。期待に応えなきゃという、義務みたいなものになってしまうのですが、自分自身はエネルギーにしてやっていきたいと思っています」
――ショートはファイナルで失敗したが、不安はあった?
「ショートの不安はなかったですが、GPファイナルのイメージは若干残っていました。でも、練習や他のグランプリシリーズでしっかり良い演技ができていたので、良いイメージを持ちながらやりました」
――納得度は?
「それぞれの試合で良いところと悪いところがあると思います。スケートアメリカはジャンプが良かった、NHK杯はもっとジャンプが良かった、ファイナルはステップ、スピンが良かった……。それぞれ色んないいところがあったのですが、今回はまた(良かったところが)ジャンプだけに絞られてしまったかなと思います。なので、明日はしっかりと雰囲気を出しながら(演技をする)という事を注意したいと思っています。ジャンプもしっかり決めて、すべてに対して集中したいと思います」
――6分間練習から本番までは、どう自分と向き合った?
「緊張してもしょうがないとは分かっていましたし、緊張もしちゃうなと思っていました。ある程度覚悟しながら、足も震えながら、オーサーコーチの言うことを聞いていれば何とかなるかなと思って、コーチを信じてやりました」
非公式ながら世界歴代最高得点を上回る評価を得た羽生 【坂本清】
「ファイナルの後に体調を崩しましたが、演技をやってみて問題なかったなと思います。
不安は若干ありました。3連戦ですごく大変でしたし。でも皆さん(他の選手)も同じだと思うんですが、結構足にきていたので大変かなと思いました。でも、まだまだ全日本はすごく大切な試合ですし、四大陸や世界選手権(の代表)が決まるので、しっかりと集中してやれば何とかなるかなと思います。
日本一にこだわっているわけではなく、全日本選手権という名前にこだわっているという感じです。こだわりはすごくありますが、今回すごく緊張してしまったので、フリーでは集中しながらそこを克服しながらやりたいです」
――明日のフリーは?
「高橋選手の演技は見ていないので、なんとも言えないのですが、とにかく他の選手のことはあまり気にせずにしっかりと6分間練習のほうでも気を入れつつやりたいと思います。フリーのほうでは(4回転)サルコウジャンプがちょっとずつつかみ始めている感覚があるので、僕自身注意してやっていきたいというのと、GPファイナル以上の演技をここでやりたいと思っています」
――高橋を倒して日本一になろうという意識は?
「それは特にないです。先輩は先輩ですし、僕は僕なので、フリーに向けて自分の演技を越せるようにしたいです」
――フリーはこの先の大会を見据えて攻める?
「攻めるも何もプログラムは同じなのでなんとも言えませんが、とにかくジャンプは跳びたいですし、表現力、ステップもしっかりやりたいです」