2年目の余裕と、増すチームへの責任感。3連敗のいまこそ問われる『BE TOUGHER』

【©ジャパンラグビーリーグワン】

3連敗中の九州電力キューデンヴォルテクス。チームの目標であるトップ2入りのためにもシーズンの正念場を迎えている。ディビジョン3時代からしのぎを削るライバル、レッドハリケーンズ大阪と対する今節の舞台はえがお健康スタジアム、熊本県でのホストゲームだ。

山添圭祐は大切な思い出を刻んだ。第6節の花園近鉄ライナーズ戦は自身の故郷である長崎県での試合だった。この試合で山添はリーグワン初トライを記録した。

「自分の競技人生に残るトライになりました。たくさんの知り合い、家族が見に来てくれて応援してもらったのですごくうれしかったです。そこで初トライを取れたことは自分でも『ツイてるな』と思いました(笑)」

当日はいつもどおりのプレーを心掛けていたというが、頭の片隅には「地元での試合でトライを取りたいな」という思いもあったという。試合には敗れてしまったが、山添にとってはかけがえのない経験が得られた試合になった。

加入2年目を迎え、今季は脳振盪の影響で欠場となった第7節以外は開幕から安定して出場を続けている。チームが掲げる今季のシーズンテーマである『BE TOUGHER』を「80分間、ずっと動き続けて体を当て続けること。そして、試合に出続けること」だと解釈する山添にとって、まさに有言実行のシーズンとなっている。

必死に目の前のことに食らい付き、がむしゃらに走り抜けたルーキーシーズンと違い、「余裕をもってプレーできることができた」と山添は話す。

「特別に何かを変えてはいません。ほかの選手よりもフィジカルのトレーニングは多くやろうとは思っているくらいで、大きくは変えていません。ただ、プレーについてはコミュニケーションをより多く取ることは意識するようになりました。これまでにはなかった感覚なので、そう(2年目の余裕)なのかもしれないです」

チームは3連敗中と苦しい状況だが、いまこそ『BE TOUGHER』が問われている。

「負けていい試合はないので、全員で勝ちを目指してやるだけ」

“余裕”だけではない、山添の言葉にはこのチームへの責任の強さが宿っていた。

(杉山文宣)
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