勝利を呼び込む様はまさに“インパクトプレーヤー”。ベテランに宿る闘志が戦う息吹を吹き込む

【©ジャパンラグビーリーグワン】

ラグビーでは、途中出場で存在感を示す選手に対して「インパクトプレーヤー」という表現が用いられる。現在、3連勝中のNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)において、インパクトプレーヤーとして絶大な存在感を放っているのが松浦康一だ。

前節の九州電力キューデンヴォルテクス戦では、試合終盤に22mライン付近での松浦のタックルがサム・ヴァカの侵入を食い止め、結果的に相手のノット・リリース・ザ・ボールを誘発した。直前のペナルティゴールで28対27と1点差に詰め寄られていただけに、相手の勢いを断ち切ったビッグプレーだった。

グラウンドに立つ松浦の姿には常に闘志がみなぎっている。それを彼は「空元気」と謙遜気味に語るが、劣勢の局面でチームがガクッと意気消沈してしまうぐらいなら、たとえそれが空元気だとしても、チームに戦う息吹を吹き込める選手は貴重な存在だ。

第4節・豊田自動織機シャトルズ愛知戦、第5節・花園近鉄ライナーズ戦では連敗を喫したGR東葛。キャプテンのニック・フィップスの離脱もあり、チームは急降下しかねない危うい状態にあった。だが、流れが変わったのは第6節だった。松浦は第6節から途中出場ながら3試合連続出場を果たし、チームは3連勝を記録した。

「苦しい中で楽しんでプレーしようと心掛けています。自分がどれだけ楽しんでラグビーをやっているか、その姿を同世代にも若い選手にも見てもらいたい。そこからエナジーがみんなに渡っていければいいかなと思います」

松浦は、今年の4月でGR東葛入団10年目を迎え、チーム内では年長者と呼ばれる年齢になった。ただ、年長者としてどう振る舞うべきか、「最近まで分からなかった」と本心を述べる。そこでチーム最年長の瀧澤直と頻繁に食事に行き、ベテランのマインドを学び得たという。

在籍年数も長いとあって、GR東葛をディビジョン1に戻すという思いも人一倍強い。

「チームの土台や文化を作っていきたいですね。ティノ(マリティノ・ネマニ)、タッキーさん(瀧澤)、宮島(裕之)さんとのシニアミーティングでは『選手たちから何かを変えていき、そして若い選手たちに引き継いでもらおう』という話をしています。それを確立していくことが大事かなと。それが入替戦につながり、D1にもつながっていく」

3月23日(日)、GR東葛は太田市運動公園陸上競技場で日野レッドドルフィンズとのビジターゲームを戦う。この試合でも、松浦はリザーブとしてメンバー入りを果たした。

「1週間、自分たちが準備してきたものをどれだけ発揮できるか。リザーブでも、スタメンでも変わらず、チームのやるべきことを遂行できればいいと思います」

4連勝を目指すGR東葛。松浦は、この試合でも間違いなくインパクトを放つ。

(鈴木潤)
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