PTAのイベントに「パラスポーツ」がぴったり⁈ 親子で一緒に楽しみ学ぶ、その面白さに迫る!
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親子で一緒に、パラスポーツを楽しみたい!
「まずは何事も楽しむことを伝えたい。そして親子で何かを一緒に体験することが非常に大事。その体験を通して親子で笑顔になる、楽しかったことを家庭で話す。パラスポーツがそうしたつながりのきっかけになればと思い企画しました」(藤本さん)
まずは「あすチャレ!メッセンジャー」でパラアスリートからの講演を聞き、その後「あすチャレ!運動会」でパラスポーツ種目によるチームに分かれて行う運動会を実施しました。
「何事も楽しむ力」パラアスリートのメッセージ
この日のテーマは、『何事も楽しむ力』。山本選手は、まず参加した子どもたちや親御さん全員に「楽しいなと思っていること」「楽しくないなと思っていること」をできるだけ多く紙に書いてもらったうえで、『何事も楽しむ力』を大きくする3つのヒントを伝えました。
「感じ方を変えてみる」
「工夫してみる」
「自分にしかできないことをやってみる」
生まれた時から障がいがあったという山本選手。
「嫌だと思ったことはないです。だって、これが普通だから。不便だけど不幸だと感じたことはないんですよ」
感じ方や見方を変え、工夫し、自分にしかできないことをやることで山本選手は「どんなことでもナチュラルに楽しんできました」と話しました。そうして何事も楽しみながら生きてきた自身の半生を振り返りながら、「楽しむ力があればたくさんの人と大きなものを作り上げることができます。今回の3つのヒントのどれか1つでも取り組んでいただいて、紙に書いた『楽しくなかったこと』をどうすれば楽しくできるか、ぜひ考えてみてください」と、参加した皆さんに向けて“宿題”を出しました。
パラアスリートのお話から、「障がい」について考えるだけでなく、毎日を過ごす心持ちがちょっと変わるきっかけを得られたのではないでしょうか。
■参加者の「ここがよかった!楽しかった!」
「上の娘が車いすユーザーなのですが、その娘が生まれた時に第一声で言われたのが『ちょっとかわいそう』。でも、この子は(かわいそうではなくて)これがスタンダードなんだよと家族や親族にも言ってきましたし、同じことを山本さんがおっしゃったのを考えると嬉しいなと思いました」(お父さん)
「できる・できないじゃなくて、どうしたらできるようになるかというのは上の娘にずっと言ってきましたが、いろんな経験をされた山本さんが実際に『その力が大事だよ』という話をされたので余計に勇気づけられました。いろんなことにチャレンジしていけるように下の子にも言っていきたいし、みんなで楽しむためにはどうしたらいいかと考える力をつけていけるように、これからも関わっていきたいなと改めて思いました」(お母さん)
声を出さずにどうやって?アイスブレイク
山本選手が、今度はナビゲーターとして運動会を盛り上げます。
山本選手から出されたお題は、うどん・そば・スパゲッティ・ラーメンの4つから食べたい麺類を思い浮かべ、声を出さずに同じ麺類を思い浮かべた仲間を集めてグループを作ること。制限時間は1分! 声を出さずに、どうやってグループをつくるのでしょうか。
さすがに4つのグループぴったりに分かれることはできませんでしたが、それぞれ同じ麺類を思い浮かべた人同士でグループを作ることに成功し、参加者の皆さんは笑顔。初めて会う人も多い中、すっかり打ち解けた雰囲気になりました。
「声を出せないと、皆さんが今やっていたように色々と工夫しますよね。それが先ほど(講演でも)お話しした工夫する力です」と山本さん。そして「これでまたコミュニケーションを取れるツールが増えると思います」と、うどん・そば・スパゲッティ・ラーメンを表す4つの日本語の手話を参加者に伝授。「ラーメンの手話ってこんなふうにするんだ!」と皆さん驚きながら真似していました。
ナイスショットにみんなで拍手!ボッチャ
レッド、ブルー、オレンジ、グリーンの4チームに分かれ、第1競技としてチャレンジしたのは、パラリンピックの正式競技であるボッチャ。最初に投球した白いジャックボールに向かって、対戦する2チームがそれぞれ赤と青のボールを投げたり転がして、ジャックボールに一番近づけたボールのチームに得点が入ります。
「パラスポーツってどうなんだろうと様子を見て参加しなかった親子もまだたくさんいると思うんです。実際にやってみて『楽しかったよ!』ということを周りに伝えて、みんなでまたやりたいなと思いました」(お母さん)
みんなでパスをつなぐ!車いすポートボール
「私も車いすポートボールが一番楽しかった。ボールを取られたときもあったけど、ちゃんとパスできたのが楽しかったです。絶対にまたやりたいです」(女の子)
真剣勝負!全力応援!車いすリレー
「娘が(2024年5月の)運動会で(車いすリレーを)やっているのは見ていたのですが、今日初めて車いすに乗ってみて、すごく貴重な体験になりました。小さい子から大人まで乗れますし、競技によって車いすの形を変えられるのがすごいですよね。また、こういうイベントを大村市で普及して、毎年運動会でしてもらえたらなと思いました」(お母さん)
親子の学びにぴったりなパラスポーツ
また、運動会だけではありません。山本さんの『何事も楽しむ力』の講演に感銘、刺激を受けた親子も多く見られました。「山本さんのメッセージがすごく良かったですし、今回のイベントを通して思ったのは、障がいのある人だけじゃなくて困っている人に手助けできるチャンスがちょっとでもあれば積極的にやることが大事だということ。少しでも周りの人たち同士で支える努力ができればと思いました」と、あるお父さん。
また、家族に車いすユーザーがいる親御さんは「今回の体験を通して、みんなが車いすに抵抗がなくなってきたら嬉しいですね。日常生活の中で車いすユーザーや障がいのある方たちと普通に接する環境ができたらいいなと思います」と話すなど、障がいや共生社会について、子どもたちだけでなく地域の皆さんが一緒に考えるきっかけになることを期待する声も聞かれました。
「多様性、共生社会などいろんな言葉がありますが、それを体験できる場を作り出していくべきだと思います。今回のように親子で笑顔になれる経験が他の小・中・高校にもっと広まってほしいですね」
親子で一緒に楽しみ学べるスポーツ、レクリエーションをと考えているPTAの皆さん、今回のようにパラスポーツを活用してみてはいかがでしょうか。
text by Atsuhiro Morinaga(Adventurous)
photo by Yuito Kokubu
※本記事はパラサポWEBに2025年2月に掲載されたものです。
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