「故郷」に捨てられた野球人生。プロ5年目の左腕、石川達也投手の再出発。DeNAから戦力外通告、巨人に移籍。練習試合で古巣相手にパーフェクト投球。26歳のリベンジ

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【これはnoteに投稿されたセイノさんによる記事です。】
「故郷」に捨てられた野球人生。それでも前を向く。プロ5年目の左腕、石川達也投手の再出発だ。昨季オフにDeNAから戦力外通告を受けて、巨人に拾われた。練習試合で古巣相手にパーフェクトピッチング。これが26歳のリベンジだ。石川投手のリスタートを応援したい。

石川投手は神奈川県の県庁所在地、横浜市の出身。高校は甲子園春夏5度の優勝を誇る横浜高。石川投手も2016年夏に甲子園に出場した。

大学は同じ神奈川県の川崎市に本拠を構える法政大学に。2年春から東京六大学リーグ戦に登板。しかし4年時に左手首を骨折し1試合のみの登板に終わった。

2020年のドラフト会議。けがによる登板不足がネックとなり、12球団から支配下選手としての指名は見送られた。ただ育成枠1位でDeNAが指名。石川投手は自らの出身地、横浜にホームを置くベイスターズの一員となった。

プロ1年目は2軍戦で好投するものの支配下登録されることはなかった。翌年の2年目に2軍戦での好投が続き、ついに支配下選手へと出世。この年は1軍マウンドに3試合登板した。

3年目の2023年に飛躍する。28試合に登板し防御率は1.97。安定感が身についてきた。ただプロ4年目の昨季、防御率は1.93と向上したものの15試合の登板に終わった。

シーズンオフに石川投手を待ち受けていたのは、球団からの戦力外通告だった。再び育成枠として投げるように打診されたが、石川投手は固辞。自由契約の身となった。

出身地である横浜を離れることに。これまでの野球人生を送ってきた「故郷」に捨てられた形だ。そんな石川投手に救いの手が差し伸べられる。巨人からのオファーがあったのだ。石川投手は契約を結び、再出発することとなった。

そして今年2月18日、沖縄県那覇市で行われた練習試合。相手は古巣のDeNAだ。六回からマウンドに上がった。六回は松尾汐恩選手、度会隆輝選手のドラ1コンビをサードゴロ、見逃し三振に仕留めるなど三者凡退に。

七回も同じくドラ1の森敬斗選手をショートゴロに打ち取るなど三者凡退。2イニングを投げてパーフェクトピッチングを披露した。

石川投手は反骨心をむき出しにしていた。「投げる前は(戦力外に)出したことを後悔させてやろう」という思いでマウンドに立った。捨てられた「故郷」へのリベンジだ。

石川投手にとって、第二のプロ人生。しっかり前を向いて進んでほしい。そして巨人とDeNAは同じセリーグ。これからも「故郷」との戦いは続くだろう。石川投手のボールには「ふるさと」への複雑な思いが詰まっている。そんな26歳サウスポーを応援したい。
見出し画像:Oz
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