【スキー】ノルディック複合 ジュニア世界選手権で成田選手が銀メダル!大選手への第一歩にも「五輪メダルが一番の目標。これからが本当の勝負」

チーム・協会
 ノルディックスキーのジュニア世界選手権が2月11日~16日にレークプラシッド(米国)で行われ、複合の成田絆選手(ガリウムスキークラブ)が男子個人グンダーセンで2位に入り、複合の男子個人種目では15年ぶりとなるメダルを獲得しました。
 成田選手は山﨑叶太郎選手(中央大学)と組んだ男子団体スプリント、男女各2選手が出場する混合団体でも銅メダルを獲得。今大会3つのメダルを手にしました。

男子個人グンダーセンで銀メダルを獲得した成田選手 【(c) LOC Lake Placid/Ona Kwiatkowski】

世界ジュニアのメダルは大選手への登竜門

 男女個人戦は15日に行われ、男子グンダーセン・ノーマルヒル(NH)10kmでは、前半ジャンプで成田選手が1位、山﨑選手が3秒差の2位。トップで後半をスタートした成田選手は、18秒差の3番手でスタートしたパウル・ヴァルヒャー選手(オーストリア)に抜かれて金メダルは逃したものの、堂々の2位。小林潤志郎選手(Wynn.)が優勝した2010年大会以来、15年ぶりに日本複合チームに男子個人メダルをもたらしました。

 2位スタートの山﨑選手も粘りの走りを見せ、3選手によるゴール前の接戦を先頭で抜け出し、4位に入りました。

 毎年開催されるジュニア世界選手権は、ワールドカップを転戦している選手が一時離脱して出場することも珍しくなく、ジュニア世代にとっては大きな意味を持つ大会。
 最近では、2021年大会で個人金メダルを獲得したヨハネス・ランパルター選手(オーストリア)が、その直後の世界選手権でも個人と団体の両方で優勝し、ジュニアとシニアの同時制覇という偉業を達成しています。

 日本チームでは渡部暁斗選手(北野建設SC)が2006年大会の個人スプリントで銀メダルを獲得しており、ジュニア世界選手権の金メダリストには、ランパルター選手の他にもエリック・フレンツェル、ヨハネス・リジェック、ビンツェンツ・ガイガー(いずれもドイツ)、ヤールマグヌス・リーベル、イエンスルロース・オフテブロ(ともにノルウェー)と、後に世界トップに立った選手が勢揃い。大選手への登竜門といえるメダルなのです。
 今年が最後のジュニア世界選手権出場となった19歳の成田選手、大きな一歩を踏み出しましたが「これはただの通過点。オリンピックでもメダルを獲ることが一番の目標なので、これからが本当の勝負」と、さらに先の目標に向け力強く話していました。

男子個人グンダーセンで銀メダルの成田選手(左上)と4位の山﨑選手(左下) 【(c) LOC Lake Placid/Ona Kwiatkowski】

〇男子個人グンダーセン10km結果
2位 成田絆
4位 山﨑叶太郎
16位 森恢晟(東海大学)
34位 糸氏琉人(飯山高校)


男子個人グンダーセン10kmレース
 

 女子個人NHグンダーセン5kmでは、池田選手が前半14位から順位を上げて9位でゴール。昨年4位の藤原選手はジャンプの出遅れが響き19位でした。

〇女子個人グンダーセン5km結果
9位 池田葉月
19位 藤原柚香
25位 山﨑詩由衣(飯山高校)
29位 菊池桜紗(名寄中学校)


女子個人グンダーセン5kmレース
成田絆
「僕はジュニア世界選手権に4度出場しました!その中で、表彰台に立つことが目標でした。でも、これはただの通過点で、オリンピックでメダルを獲ることが一番の目標なので、これからが本当の勝負になると思います。気を引き締めてこれからも頑張りたいと思います。団体でも表彰台に上がることができて、とても嬉しかったし、思い出に残る試合でした!応援ありがとうございました!」

 山﨑叶太郎
「最後の世界ジュニアだったので個人戦は3位を目標にしていましたが、4位であと一歩届かず悔しい。しかし、ジャンプは最高のパフォーマンスが出せ、クロスカントリーもずっと走れずにいたところに1か月の海外合宿を通じて少しずつ走れるようになり、自分のベストを尽くせたと思います。練習で様々な国を転々とする中で、改めて海外の練習環境の充実ぶりを実感しました。特に雪質や設備において、とても恵まれた環境で日常的にトレーニングを積めるというのが彼らの強みで、それが競技力の向上に直結していると感じました。また、海外の選手はレースの駆け引きがすごく巧みで、レース終盤のスピードの切り替えなどが印象的でした。自分も限りある環境ではありますが、その分効率的にやるべきことにフォーカスして今後さらに成長していきたい」

 森恢晟
「個人戦はベストを尽くすことができたと思うので、結果にはある程度満足しています。1か月前からヨーロッパでコンチネンタルカップに参戦していたのですが、そこでは自分の思うようなパフォーマンスをすることができず、この大会でも良い成績を出すことができないのではないかと少し諦めていた節があった。しかし、コンチネンタルカップが終わってからの2週間に気持ちを切り替え、いい練習ができたことでコンチネンタルカップよりも良いパフォーマンスをすることができたので良かった。強いて言えば、冬シーズンにベストコンディションを合わせることができなかったことが反省点」

 池田葉月
「個人戦はジャンプの悪いイメージが残ってしまい、立て直し切れなかった。その結果、後半は後ろの位置から追いかけるしかなくなってしまったので、上位を狙えるような展開にすることができなかった」

 藤原柚香
「今季はジャンプもクロスカントリーも良くなく、気持ちもうまく作れずに悩んでいるのがジャンプに出て、試合でも考えのまとまらないジャンプになってしまった。自分の魅力でもあるクロスカントリーの速さも、ジャンプの失敗や不安から気持ちが作れず、2周目でペースが落ちてしまった。個人戦はどの面においても悔しい結果になってしまいました」

 FISノルディック複合の公式YouTubeでは一部大会をライブ配信しており、配信済み動画も視聴できます。チーム公式インスタグラムで試合開始時間や配信リンクをお知らせしているので、フォローよろしくお願いします!
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント