新しいヒロイン2025《97期生・永田 加奈恵》
永田 加奈恵 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
ながた・かなえ=2001年4月17日生まれ
冷静沈着。たたずまいは、さながら勝負師である。しかも芯の強さがうかがえた。遠回りしたことは決してムダではない。
今オフ、大阪を拠点にして、関西地区のコースを精力的にまわっている。25年シーズン、JLPGAツアー挑戦。きっちりと成績を残すため、1Wの飛距離アップに取り組んでいる。「240-250ヤードに伸ばしたい。優勝したい、とかそういうことはあえて言葉にはしません。でも、シーズンが終わった時、シード権はとりたいと思っています」と話した。
昨年6月、独立を宣言。コーチに頼らず、「一度、私のゴルフをしっかり整理して、自分でやってみたいと考えるようになった。これからもそのスタイルで行きます」という。創意工夫をしながら、2度目の受験で最終プロテストに合格。人生でもっとも長い4日間をすごし、19位タイで合格ラインに滑り込んだ。
「第1日、79を叩いて大きく出遅れた。第2日、68で巻き返したけど、また第3日が思うようにいかない。最終日、崖っぷちの状況から集中力を研ぎ澄まし、69のチャージで何とか…。本当に苦しかった。だけど、両親、姉がすごく喜んでくれましたね。少し、恩返しができたことが誇らしい」と振り返った。
永田 加奈恵 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
とはいえ、一般家庭に育ちプロを目指すのは並大抵の苦労ではなかった。「4人家族。私がプロになってツアーで活躍することが、全員の夢になった。両親はもちろん、管理栄養士で病院勤務の姉まで、食事など、体力面を支えてくれて。幸せです」と笑顔をのぞかせた。
当初、高校3年でプロテストを受験する計画。「いちおう、テストの申し込みはした。ただ、プレーの調子がいまひとつで、直前まで迷ったけど、今の私ではとても合格できない、と判断。経費がかかるし、そんな気持ちでは合格など無理です、と大学進学を選択しました」とも。
近畿大学経営学部スポーツマネジメントコースでは、あらゆる角度から自身を見つめ直す。永田加奈恵を商品に見立て、どうすればヒットするかまで研究。「心理学、栄養学など、一生のスキルとなりそうなことまでです。ちょっと遠回りしたけど、学びの4年間はこれからに、役立つ」と見据えた。
QTファイナルステージではルーキーながら大善戦。タフなコンディションながら、ランキング6位と25年シーズン、JLPGAツアー第1回リランキングまでの出場権を得た。JLPGA新人戦加賀電子カップでも2位タイ。試合を経験する毎に強くなっていく印象だ。
それにしても、西郷真央にどことなく雰囲気が似ている。「僭越ですけど、うれしい。結構、お会いした方からいわれます」。ただし、自身が目標とする選手は古江彩佳だった。(青木 政司)
永田 加奈恵 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
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