手術で帰国したキャプテンに勝利の報告を。野心を抱く若者の決意

【©ジャパンラグビーリーグワン】

NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)にとって、前節の豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)戦はショッキングな試合となった。前半にニック・フィップスが右ひざを痛め、グラウンドに倒れ込んだ。その様子から軽いけがではないことは一目瞭然だった。

フィップスはオーストラリア代表72キャップという圧倒的な経験値を誇り、GR東葛ではキャプテンを務めている。戦術の要であると同時に、精神的支柱であるフィップスの負傷交代は、チームに想像以上のダメージを与えた。GR東葛は0対42でS愛知に敗れた。

しかしいつまでも下を向いているわけにはいかない。花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)戦までの2週間、チームは気持ちを切り替え、周到な準備を進めてきた。フィップスに替わってスクラムハーフに入る丸尾祐資は、感情と頭の中を整理して花園L戦に臨む。

「試合までの準備期間は2週間あったので、エリアごとの戦い方も頭に入っています。自信をもってゲームメークをする。コントロールを意識してやっていきたいと思います」

丸尾は非常に恵まれた環境で、リーグワンでのキャリアを重ねてきた。フィップス、そして昨季限りで現役を引退した田中史朗というワールドクラスのスクラムハーフとの練習の中から多くを学び、自分自身の成長へつなげた。

「ニックが言っていたことなんですが、ニック自身も間違った判断をしてしまうことは、試合中も練習中もよくあると。でも、そういう判断をしてしまったときに、自分がネガティブな感情になるのではなく、ゲームメーカーだから次の仕事に切り替えなければいけない。そういうシチュエーションは、次の花園L戦でも出てくると思います。試合でミスをしても、自分の感情の起伏なくやっていこうと思っているのは、ニックの言葉があったからです」

手術と治療のために帰国したオーストラリアで、フィップスは「花園L戦を見る」という。丸尾はフィップスから教わったさまざまなプレーをグラウンドで発揮し、チームの勝利に向けて強い決意を固める。試合に勝って、フィップスに勝利の報告をする。そして自分自身も、この出場機会を機に大きく成長する。

24歳の若者は野心を抱き、2月2日、柏の葉公園総合競技場のグラウンドに立つ。

(鈴木潤)

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