東京デフリンピックのメダルは「折り鶴」がモチーフ。パラリンピックからつながるアスリートの思い
【photo by 提供写真】
障がいのあるなしに関わらず、ともにスポーツを楽しみ、互いの違いを認め、尊重し合う社会を実現させたい――デフリンピック開催を通じて目指すものは、パラリンピックと大きな違いはない。
今回は、11月15日~26日に開催される東京デフリンピックのメダルデザインに注目。2021年に開催された東京2020パラリンピックのメダルも合わせて振り返る。
全国の小中高生の投票で決定したメダル
「東京2025 デフリンピック1 Year To Go!」に登壇した(左から)山田、亀澤、岡田、茨 【photo by 提供写真】
「発表まですごく待ち遠しかった。とってもきれいなメダルなので、このメダルを獲得できるようにもっともっと頑張りたい」とは、デフ卓球の亀澤理穂。
デフ水泳の茨隆太郎は、「ほとんどの子どもたちがデフリンピックという言葉を知らなかったと思う。今回、デフリンピックについての学びを深めた上で、私たち選手のためにどんなデザインがいいか、話し合い、投票をしてくれた。(メダルに込められた)その思いを受けて頑張りたい」と気持ちを新たにしていた。
日本らしいデザイン
裏面は、いくつもの線が交じり合うデザイン。「世界の人とのつながり」を表している。
メダルデザインは、2024年11月の「東京2025 デフリンピック1 Year To Go!」でお披露目された 【photo by 提供写真】
デフ陸上の岡田海緒は、嬉しそうに話す。
「今までの大会のメダルは、大会のマークがそのままメダルデザインになっていることが多かった。今回はマークとは別に、折り鶴が描かれ、リボンも日本らしさを感じるデザインで本当にいいなと思っている」
子どもたちからは「折り鶴は手で作るもので、デフのコミュニケーションにとって重要な手を強調していると感じた」「日本の伝統的な文化と縁起の良い柄が合わさって、このメダルをもらった選手が嬉しくなると思う」などのコメントが寄せられた。
「メダルを獲るぞという思いがふつふつと湧いてきた」と話した山田 【photo by 提供写真】
「東京2020大会のとき、全国各地からリサイクル金属を集めてメダルを作る過程が印象的だったが、今回も全国の皆さんから、(オンライン投票という形で)協力をいただいた。これは、東京2020大会のレガシーだと感じるし、とてもいいことだと思う。
デフリンピックは、聞こえない人たちのための大会だが、我々聞こえない人だけでは成り立たない。ボランティア、東京都にお住まいの皆さん、応援に来てくれる観客、家族がいて、はじめてデフリンピックが成り立つのではないか。
今回のメダル(の決定方法)は、全国の小中高生とのつながりが感じられるので、素晴らしいと感じた。生涯忘れることのできないメダルになると思います」
東京デフリンピックのメダルのモチーフは「折り鶴」だが、東京パラリンピックのメダルデザインは「扇」だった。
東京パラリンピックのメダルは、2019年8月のセレモニーで発表された 【photo by AFLO SPORT】
東京パラリンピックのメダルは「扇」がモチーフ 【photo by REUTERS/AFLO】
聞こえない選手のための運営の工夫は、大会後の環境整備に活かされるのか。輝くメダルの行方とともに注目したい。
text by Asuka Senaga
photo by 提供写真
※本記事はパラサポWEBに2025年1月に掲載されたものです。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ