心を入れ替え、自分と向き合った努力の結晶トライ

【©ジャパンラグビーリーグワン】

注目の上位対決となった豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)とNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)の一戦は、S愛知が42対0でGR東葛を下し、完封勝利を収めた。

S愛知にとって会心の勝利だった。試合開始から50秒足らずでトライを奪うと、以降も試合を支配し続け、最終的には今季初となる勝ち点5を獲得した。混戦模様のディビジョン2において、昇格を争うライバルからボーナスポイントを得た価値は高い。

完勝の要因は、セットピースの安定と強固なディフェンスの二つ。特にこれまで課題としていたスクラムでは、相手のペナルティを誘発させるなど改善を見せた。プロップで先発出場した高橋信之は「フロントローの3人の頑張りと、バックローの選手の重みで、相手にダメージを与えられた」と好感触を得た様子だった。

その高橋からのバトンを受けて途中出場を果たしたのは、イエレミア・マタエナ。昨季に花園近鉄ライナーズから加入したものの、ここまで公式戦の出場はなく、今節がS愛知でのファーストキャップとなった。

試合に出られない間はさまざまな葛藤があったというマタエナ。当時は徳野洋一ヘッドコーチいわく「ポテンシャルはある選手だけれども、プロフェッショナルとしては未熟だった」。その意識が今季のプレシーズンで変わった。徳野ヘッドコーチは「表向きは『自らの意思で』と言いたいけど、僕に思いっきり怒られたからじゃないですか(笑)」とそのきっかけを明かす。本人も苦笑いをしながら、「もっと練習を重ねてレベルアップしないと、このままではダメだと思った」と気持ちを入れ替え、自分と向き合った。

そんなマタエナの努力を、ラグビーの神様も見守っていたのだろうか。後半38分、トライライン手前でマタエナがボールを受けると、複数選手にタックルをされながらもボールをねじ込み、トライ。すでに試合のすう勢は決まっていたが、この日一番大きな歓喜の輪ができ、チームメートがマタエナを祝福した。

【©ジャパンラグビーリーグワン】

チーム内の競争に努力を惜しまず挑んでいれば、必ずやリーグワンのグラウンドに立てる。マタエナがそれを証明してくれた一日だった。

(齋藤弦)

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