“レッハリ旋風”が大阪ダービーを席巻。練習の虫が見せたフォア・ザ・チームの精神
レッドハリケーンズ大阪 土橋郁矢選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
試合後のスコアだけを見れば東大阪市花園ラグビー場に“レッハリ旋風”が吹き荒れた格好だが、前半17分には花園Lのクウェイド・クーパーがペナルティゴールを成功させ、10対7で一旦は逆転に成功。「前半25分までは非常にいいゲームをしていた」と花園Lの向井昭吾ヘッドコーチが総括した言葉にウソはなかったが、RH大阪の背番号10の逆転トライが試合の大きな分岐点だった。
前半32分、パエア ミフィポセチのパスを受けた土橋郁矢はウィル・ゲニアらをかわして中央へのトライに成功。「あそこは、たまたま前が空いていたので、自分でトライができて良かったです」(土橋)。自身にとってリーグワンでの初トライにも控えめな喜びを口にしたが、試合前からある決意を固めていたという。
花園Lのスタンドオフは言わずと知れた世界的スター、クーパー。「小さいころからずっとクーパー選手のプレーを見てきて、憧れている選手でした」と言いながらも、2024年のワールドベースボールクラシック決勝戦を前に大谷翔平が語った名言を、土橋も口にした。
「(クーパーに対して)今日は憧れるのをやめました」
派手さはないがキックも正確で、ドミナントタックルの数も2節を終えた段階ではディビジョン2で最多タイの6をマーク。開幕から3試合連続で背番号10を託されている土橋は、好調のチームに欠かせない存在になっていた。
『天は自ら助くる者を助く(天は人の力を借りずに、自分一人で努力する人を助けるという意味)』、という言葉がある。土橋の評価を試合後に問われた松川功ヘッドコーチは「誰よりもグラウンドに残って練習をし続けて、われわれがいないときでも一人でやっています」と語ったが、茂野洸気バイスキャプテンも「今まで、これだけ練習好きな奴は見たことないなって思うぐらい練習します」と同調した。
待望のリーグワン初トライについて問われても「意外とあっさりしていたので、うれしさみたいなものはなかった。それよりも、勝つことが大事だと思っていましたから」(土橋)。
フォア・ザ・チームに徹する“練習の虫”はまとまりあるラグビーを披露するRH大阪の象徴だ。“レッハリ旋風”。どうやら、この勢いは簡単に止まりそうにない。
(下薗昌記)
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