悪い流れを断ち切る“魔法のクラップ” 新たな司令塔が贈る3日遅れのクリスマスプレゼント
日本製鉄釜石シーウェイブス ミッチェル・ハント選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
開幕戦で敗れ、黒星スタートとなった釜石SW。前半はレッドカードをきっかけに失点を重ねたものの、後半は怒涛の反撃を見せ、試合終盤にはあとわずかで逆転トライという場面まで追い上げた。
この試合で素晴らしいキックによるスコアと冴えわたるゲームメークでチームをけん引したのがミッチェル・ハントだ。
“ハンティー”の愛称で親しまれるスタンドオフは今季加入の29歳。開幕戦については「課題はあったけれど、後半の追い上げなどポジティブな要素もたくさんあった。この試合での学びをGR東葛戦に生かさなければならない」と切り替えてホストゲーム開幕戦に照準を絞る。
この切り替えという作業は特にアスリートにとっては非常に重要だ。特に試合中は短い時間の中で立て直さなければならない。そんなとき、彼には決まったルーティンがある。
「自分が良くないプレーをしてしまったときはパンと1回手を打ちます。過ぎたことはもうコントロールできません。クラップすることで一区切りをつけて、マインドをリセットして忘れます。そして次の仕事は何か、そして成功させるために何が必要か。そこに集中するというプロセスを繰り返すことでモメンタムが高まり、いい方向に向かっていけると信じています」
ミッチェルの出身地であるニュージーランドでは、プロになる中でこういったマインドをコントロールするための講義を受けるのだという。方法こそ違えど、多くの選手が自分の切り替え方を持っていて、彼にとってはクラップの所作がそれにあたる。試合中、何度か見かけるこの動作は彼のマインドを変えてくれるいわば“魔法のクラップ”だ。
悪い流れを自ら断ち切りながら、釜石SWのキッカー&ゲームメーカーが今季初勝利という3日遅れのクリスマスプレゼントをサポーターのもとに届ける。
(髙橋拓磨)
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