【ママさんバレーボール】白いボールを追いかけて⑦伊勢市編 GRACE CUP in 伊勢市 「体育館」に渦巻く50代、60代の熱気

チーム・協会

選手代表の挨拶をした金田さん⑫の京都VEGAは2勝 【プロフォートサニー】

 選手代表の挨拶が、ふるっていた。京都から参加したVEGAのキャプテン、金田初美さん(61)だ。「思い返せば私たち世代は『サインはV』にあこがれ『アタックNo1』をめざし、バレーボールを始めてはや数十年、バレーボールとともに人生を歩んでまいりました。『稲妻落とし』『X攻撃』、子どもの頃には練習してもできなかったものが、いまではなんと相手チームにポイントが入ってしまう『ひとりX攻撃』や自分のコートへの稲妻落としもできてしまうようになりました。今日は珍プレー、珍プレー、そして少しの好プレーになるとは思いますが、最後までボールを追いかけ、バレーボールを楽しみ、みなさんと交流を深めたいと思います」 

京都VEGA、松本さんの巧打が決まる 【プロフォートサニー】

日程は一日だけ、2試合で他県と交流

 伊勢神宮を臨む三重県伊勢市の「三重交通Gスポーツの杜 伊勢体育館」に平均年齢57歳のシニアの部Aと同66歳のシニアの部Bを合わせて26チームが集まった。「GRACE CUP in伊勢市」(全国ママさんバレーボール連盟主催、朝日新聞社など後援)は、50歳以上のいそじ大会が55歳以上に、60歳以上のことぶき大会が65歳に変更された年齢制限のはざまにいる世代が集まって他県と交流を深めようという新しい大会だ。日程は1日、各チーム2試合ずつ。仕事を持つ選手たちにも気軽に観光も兼ねて近場の大会に参加してもらおうという試みだが、九州から6チーム、四国からも4チームがやってきた。
 京都のVEGAは平均年齢56歳で、50歳そこそこから70代の「おふく」世代まで幅広い年齢層のチーム。左京区で活動する修学院というチームが母体。いそじ大会をめざしてきた選手たちが60歳を超え、50代前半のチームを加えて参加した。キャプテンの挨拶通り、寒さに体が動かない第1試合は徐々に最年少のレフトアタッカー松本登子さん(50)の強打と持ち味の丁寧に拾うバレーが出て1勝。第2試合は巧サーブを持つ奈良のファジィ三笠との好ゲームで、第1セットは松本さんが相手のマークに合ったが、中央を使った速攻と「一辺倒のリズムを変えた」という松本さんのアタックで制して2勝した。
 70歳超世代の副監督・吉田ひさみさんも選手登録してピンチサーブで活躍。キャプテンの挨拶通りに珍プレーも出たが、珍プレーは好プレーと紙一重だ。奈良とのラリーでは、一瞬体が固まるお見合いも起きたが、それも直前にコートすれすれでボールを拾う驚異的なレシーブがあったから。向畑悦子監督(63)は「こうした大会があると練習にも励みが出る」と話し、松本さんは「他県のチームと試合ができて、一日楽しめました」と笑顔で会場をあとにした。

全国大会のリベンジ期して2勝

大村(長崎)は目標の1セットを大きく上回る2勝 【プロフォートサニー】

 シニアの部Bに参加した長崎県の大村は平均年齢65歳。昨年の全国ことぶき大会に参加したが、1セットも取れずに敗退。リベンジを期して参加した。長崎空港からセントレアに飛ぶ旅程は2泊3日で、大会前日に伊勢神宮の外宮に、翌日は内宮に参拝した。「みんな体はがたがたで、練習も週一が限度。いつまでプレーできるかわからないけれど、だからこそ楽しみたい」とキャプテンの田中直美さん(66)。かつては市内のライバルだった選手たちが集まった選抜チームだが、特徴をわかり合った選手たちの呼吸はなかなかだ。帯山はっぴ(熊本)との隣県対決になった第1試合で念願の1セットをものにして、2-0で快勝。第2試合もみんと(徳島)との接戦を制して目標を大きくクリアするリベンジを果たした。
 会場は昭和の東京五輪があった1964年竣工。アリーナならぬ体育館と呼ぶのがぴったりだが、極寒の土曜日、参加300人以上の選手たちの熱気にあふれた。3月29日には、年齢制限なしの第2回GRACE CUPが開かれる予定だ。
取材・文/伊東武彦

GRACE CUP in 伊勢市 参加チーム

・シニアの部A 
香川(カラーズ)1勝、奈良(ファジィ三笠)、京都(VEGA)2勝、三重(スマイル)、京都(西山クラブ)1勝、滋賀(シップス)2勝、岐阜(まじょんな)1勝、熊本(八代ドルフィン)2勝、長崎(広友クラブ)、徳島(Crony)1勝、岡山(総社ママ)1勝、福井(M‘sクラブ)1勝、熊本(宇土クラブ)愛知(岡崎クラブ)2勝

・シニアの部B
岡山(MOMO岡山)、京都(アンティ)1勝、愛知(トゥインクル)2勝、京都(のぞみ)、滋賀(滋賀クラブ)1勝、熊本(帯山)2勝、奈良(ファジィ三笠)、三重(BELL)1勝、岐阜(ぴぃす笑)2勝、熊本(帯山はっぴ)、徳島(みんと)1勝、長崎(大村)2勝
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著者プロフィール

バレーボールを通して会員の心身の健全な発展と、その輪の広がりを願いあわせて、社会的価値のあるものとして生涯スポーツに導くことを目的としてガイドラインの設定と各種大会の運営を行っています。

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