世界的名手は「まだまだ成長できる」。TJ・ペレナラのあくなき探求心

リコーブラックラムズ東京 TJ・ペレナラ選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

先週末に開幕した、リーグワン。リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)は終盤までリードを保ちながらも、後半41分にペナルティゴールを許し逆転負け。3季ぶりの開幕戦勝利とはならなかった。

「良いプレーはできたので、本来であればもっとトライを取れるチャンスがありました。チャンスを作れたことは喜ばしいですが、ただ取り切れなかったことが残念です」

この試合でBR東京の選手としての初キャップを獲得した世界的名手、TJ・ペレナラは言った。

課題は『トレーニング・ハビット(練習中の習慣)』にある。試合開始から15分まで。そして、試合終了までの20分でトライを取り切れなかったこと。「試合での実行力を身に付けるために、トレーニングを行うことが大事」だとペレナラは説明する。

そのトレーニング中、ペレナラ自身は特徴的な光景を見せる。自らがプレーに加わらないターン時には後方へ位置取り、じっと味方のプレーを見つめるのだ。ときには片ひざをつき、ときには立ったまま、仲間のプレーを観察する。

「僕の仕事はラック周り。あまり外側が見られないので、自分がプレーしない順番のときには後ろからチームを見て、どこにスペースがあるのかを確認しています。僕の仕事次第で、実行力は高まる。どうすべきかと考えながら見ています」

「ここだったらこういうプレーができるな」。「この局面ではもっと上手くできたらいいな」。「自分たちが上手くできていること、はたまた改善できることは何だろうか」。考えを巡らせながら、チームメートのプレーを俯瞰する。

「僕もまだ学ぼうとしている段階。プレーヤーとしてまだまだ成長できます」

そう、すべてはチームのため、そして自らの成長のため。スーパープレーの原点は、飽くなき探求心にあった。

ホストゲーム開幕戦となる東京サントリーサンゴリアス戦は12月28日(土)。秩父宮ラグビー場で13時にキックオフを迎える。

「すごく仲がいいし、リスペクトしている」という元ニュージーランド代表(オールブラックス)キャプテンのサム・ケインとのマッチアップも待ち望まれるが「僕は彼を避けるけど、彼は僕にタックルしてくるだろうね」と笑顔を見せた。

今節はアクセンチュアマッチデー特別企画として、先着1万人に今季のスローガン『Reboot』が書かれたロールフラッグが配布される。スタンドを黒く染め、再起動を狙う選手たちを後押ししてほしい。

(原田友莉子)
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