ロッテ鈴木昭汰。51試合に投げて自責点はわずか4点。パドレス松井の助言を受けながら急成長した一年

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契約更改後のメディア会見で色紙に2年連続50試合以上登板と書き込んだ鈴木昭汰投手 【千葉ロッテマリーンズ提供】

 ZOZOマリンスタジアムで行われた6月29日のバファローズ戦。鈴木昭汰投手が投じたボールは無情にもレフトスタンドへと吸い込まれていった。延長十回に浴びた一発は決勝の2ラン。鈴木は悔しそうな表情でマウンドに立ち尽くした。そこまで27試合連続自責点0で防御率0.00と快投を続けていた鈴木にとってはこれが今季初の自責点となり、負け投手となった。

 「外角のフォーク。相手のちょうどバットが伸びるところに投げてしまったかなあと思います。今年はオープン戦も含めてあのような失敗は初めてだった。ボクのせいで負けた。悔しかったですね」

 鈴木昭はそう振り返る。悔しさはあったが、大事にしていることがあった。それは打たれた次の試合を絶対に抑えるということだ。これは1月の自主トレで弟子入りさせてもらったパドレスの松井裕樹投手から教わっていたことである。

 「誰だって打たれる。どんなピッチャーだって一年間、打たれない事なんてない。大事なのは打たれた次の試合。そこをしっかりと抑えられるか」

 憧れの人の言葉はずっと脳裏に残っていた。だからクヨクヨと落ち込むことなく気持ちを切り替えることに注力し、すぐに次に向けた準備を始めた。次の登板は7月3日のファイターズ戦(エスコンフィールド)。リードした場面の4番手として登板すると1回を打者3人でピシャリと仕留めた。

 「打たれた次の試合でしっかりと抑えられて良かったです」。

 鈴木昭は今年一番ともいえるような安堵の表情を浮かべていたのが印象的だった。

 ただ「打たれた次の試合」は、もう1試合あった。それは打たれた相手 バファローズ戦での次回登板。それは7月12日に訪れた。舞台は打たれた時と同じ本拠地ZOZOマリンスタジアム。わずか1点のリードという緊迫した場面で3番から始まるクリーンアップ3人を前に名前をコールされると、3者凡退に抑えてみせた。こうして師匠から叩き込まれていた打たれた後の2つの大事な試合でしっかりと結果を出した。

 プロ4年目は充実した日々だった。前半戦、チーム躍進のキーマンともいえる活躍を見せる鈴木昭は監督推薦でオールスターゲームにも初出場した。侍ジャパン入りをしてプレミア12にも選出された。

 「正直、オールスターに出るとかという自分の未来の想像はできなかった。もちろん出てみたいとは思っていましたけど、現実的な目標としてこれまでは思い描くことが出来なかったですね。でも、こうやって夢ってどんどん大きくなるのかなあと思いました。最初はプロに入ることが夢で、次は一軍で投げること。そして結果を出すこと。今はさらにその次。どんどん夢が大きくなるっていいなあと思いました」と鈴木昭はしみじみと喜びを口にした。

 今シーズンは51試合に投げて防御率0.73。自責点はわずか4点だった。キレのあるボールで三振を奪いチームを勝利に導く日々だった。それでも「満足感に浸ることはないです。毎日が精いっぱいだった。そしてなによりも来年が大事。2年連続でいい成績を出さないといけない」と話す。今年はあくまでステップ。次なる夢へ。もちろんそれはリーグ優勝の貴重なピースになること。背番号「47」がVの立役者になる。夢はどんどん大きくなる。2025年は大きくジャンプする一年とする。

文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章

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