新競技名・座位バレーボールになって初の日本選手権! 2026年秋のアジアパラに向けて選手たちが決意
【photo by Hiroaki Yoda】
床に臀部(でんぶ)の一部が常に接触したまま行うバレーボールは、パラリンピックやアジアパラ競技大会でもおなじみの競技。これまで、国内では「シッティングバレーボール」、「バレーボール(座位)」などと呼ばれていたが、日本パラバレーボール協会はことし10月、「座位バレーボール」に競技名を変更。「座位バレーボール」となって初めての日本選手権だった。
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岡崎中央総合公園の武道館で開催された「第26回日本座位バレーボール選手権大会」 【photo by Hiroaki Yoda】
男子は11チーム、女子は8チームが参加
この大会は2018年から2022年まで東京の武蔵野総合体育館で行われていたが、昨年は静岡県浜松市、今年は愛知県岡崎市で行われた。
兵庫県姫路市を拠点とするSoul(魂)は男女別2つのチームで出場したが、東京で大会が開催されたときは人数が揃わず、混合チームで出場していたこともある。「男子選手が増えたこともあるが、開催地が近くなって車で大会に参加しやすくなった」とは、女子チームの西家道代。昨年は女子チームが、今年は男子チームが優勝するなど結果を残し、盛り上がりを見せている。
中部地方唯一のチームであるパラだに浜松の中野 【photo by Hiroaki Yoda】
東京プラネッツ女組の波田みかも、「アジアパラが楽しみ」と話すひとりだ。2023年の杭州アジアパラ競技大会(中国)では日本代表選手団の旗手を務めた。
2026年のアジアパラは、相手を惑わせる頭脳プレーができるセッターとして、3位だった前回大会からの上昇を目指す。
優勝した東京プラネッツ女組の波田 【photo by Hiroaki Yoda】
今大会は準優勝だった千葉パイレーツの田澤隼は、男子日本代表で主将を務める。
男子日本代表の目標は、2028年に行われるロサンゼルスパラリンピックのメダル獲得だが、その道中にあるアジアパラでも「メダルを獲りたい」と力強く話す。
強豪は、イラン、中国、カザフスタン。高さのある相手に対応できるよう「月2回の合宿では、高いところからボールを打ってもらうなどして、レシーブを強化している」。
主将としては、「今、どこを目指していくかの共通認識を作っているところなので、そこは大変なところではあるが、少しずつ形になってきていると思う。今後の海外遠征でしっかり形にできればいいなと考えています」と語った。
男子日本代表キャプテンでもある千葉パイレーツの田澤 【photo by Hiroaki Yoda】
アジアパラではウォーミングアップ会場に
体育館は現在工事中で、今回の日本選手権は総合体育館の隣の武道館で開催。武道館はアジアパラではウォーミングアップ会場になる。
工事中の体育館(左)と武道館(右) 【photo by Hiroaki Yoda】
「アジアパラの練習コートと聞いていた。ボールが見やすく、施設も使いやすい」(田澤)
「ロッカールームなどはまだ使用できていないが、トイレはすごくきれいで広いのもいい。試合のときは結構トイレも混んだりするので」(波田)
と、おおむね好評だった。
若い選手が増えているという日本代表の主軸・田澤(左) 【photo by Hiroaki Yoda】
日常生活で車いすを使用する、女子日本代表の主将、西家は「(左膝が曲がらない)私のような車いすユーザーが乗ると、立っている人もあと1人しか入れない。施設のバリアフリー面で気になるところはないが、エレベーターが少し心配」と話した。
来年の日本選手権は、工事を終えた本番会場で開催予定。導線の確認も含め、選手たちのいいシミュレーションになるはずだ。
アジアパラで目指すのは決勝進出! 「座位バレーボールの知名度を上げていきたい」と西家 【photo by Hiroaki Yoda】
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※本記事はパラサポWEBに2024年12月に掲載されたものです。
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