「武道は素晴らしい!」 大阪体育大学・村上雷多講師(武道論、剣道部男子監督)コラム

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1.武道とは? その魅力とは?

 みなさんは「武道」と聞いて、どんな武道を思い浮かべますか?実は、「武道」と呼ばれるものは全部で9つあります。柔道、剣道、相撲、なぎなた、合気道、少林寺拳法、空手、銃剣道、弓道です。これらを「武道」といいます。
 2024年パリオリンピックでは、武道の中で唯一柔道が行われました。阿部一二三選手など多くの日本人選手が活躍し、私たちに感動を与えてくれました。また、勝敗に関係なく相手を敬う姿や畳に向かって一礼する姿を見て「これが武道の魅力なんだ!」と感じた人も多かったのではないでしょうか。

【大阪体育大学】

2.武道の奥深さ

 みなさんは部活や試合のときに緊張して思うように動けなかった経験はありませんか? 私も剣道をしていて、何度もそんな経験をしてきました。「どうすれば、不安や迷いをなくして、試合に集中できるのだろう?」そう考えたとき、剣術家・宮本武蔵(みやもとむさし)が書いた『五輪書』(ごりんのしょ)という本に出会いました。宮本武蔵は、生涯60回以上の真剣勝負で一度も負けなかった無敵の剣豪です。
 「この一戦で死ぬかもしれない」という生死をかけた戦いでの不安や恐怖は、安全性が確保されている現代剣道と比較すると比べ物にならなかったものと想像できます。そのような時代でも、宮本武蔵は『五輪書』の中で「兵法の道におゐて、心の持ちやうは、常の心に変る事なかれ」と書き著しています。つまり、戦いの時の心の持ち方は、平常の心と変わってはならないということです。私たちは試合でいつも平常心で戦いたいと思っていますが、そう簡単にはいきません。どのような修行をすれば、この境地に辿りつけるのか? そのヒントを探るべく、『五輪書』に限らず、世の中には先人たちが書き記した様々な書物があります。そこから学んだことを現代剣道に照らし合わせて自ら体現していく。これが武道の奥深いところであり、面白いところです。

3.本物を学ぼう!

 みなさんも、自分の競技の「今」だけに注目するのではなく、その歴史や背景を知ってみませんか? そこには、競技力をアップさせるヒントが隠されているかもしれません。大阪体育大学には、実技を通して本物の学びを経験しながら、競技を深く研究することができ、自分を成長できる環境が整っています。みなさんもぜひ、一緒に未来につながる学びをしてみませんか?

【参考文献】
中村民雄著『今、なぜ武道か ―文化と伝統を問う―』(2007)、財団法人日本武道館
酒井利信著『日本剣道の歴史』(2010)、スキージャーナル株式会社

<キーワード> 武道 精神 剣道

村上雷多(スポーツ科学部講師)
専門は武道論、コーチング(剣道)が専門。 男子剣道監督として指導するとともに、武道の歴史について研究をしている。 主な担当科目は、剣道IA、武道論、コーチング法など。
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