ロッテ高部 登場曲に込められた想い。思い悩んだ高校2年の時に出会った曲
契約更改を終え色紙に「覚悟」と書き留めた高部瑛斗外野手 【千葉ロッテマリーンズ提供】
7月20日のことだ。試合前ベンチでグラウンドを見つめる高部瑛斗外野手の姿があった。視線の先ではレゲエシンガーの寿君が熱唱していた。ZOZOマリンスタジアムで行われたファイターズ戦。この日は試合前に髙部が打席に入る際の登場曲に使用している「Believe in myself」を歌う寿君がゲストとして招かれ、生歌が披露された。高部はその歌を特別な思いで聞いていた。
「ボクにとって特別な曲です。ボクが落ち込んでいる時に野球部の親友が『いい曲があるよ』と、iPodをもってきて目の前で流してくれた曲なんです。それまでレゲエは聞いたことがなかった。最初はメロディーを聞いていたのですけど、そのあと、歌詞を見て聞いて、凄く今のボクの想いに当てはまる曲だなあと思いました」
高部はそう言って、高校時代を振り返った。甲子園出場を目指し野球名門校に進学しながら、なかなか思うような結果が出せず、挫折を味わい苦しんだ高校2年の時。追い打ちをかけるように弟の病気も発覚し、落ち込む毎日を送っていた。色々な想いが交差し悩んだ思春期。真剣に野球をやめることも選択肢として考えた。そんな時に出会ったのがこの曲だった。
「最後の方に『どうしても後戻りはできない』という歌詞がある。そこがボクはめちゃくちゃ好きなんです。ああ、そうやなあと。その時に想った。だからいつもこの曲を聞いていた」と高部。
当初、プロ入り後はあえてこの曲を登場曲には使用はしなかった。しかし、プロ入りから2年。思うような活躍が出来ず、3年目の22年から自身の原点であるこの曲に打席で背中を押してもらうことにした。
その時のことを高部は「ボクにとって大事な曲。心にしまっておこうと思っていた。ただ、最初の2年、全然、活躍が出来なくて、色々と悩んで、やっぱりこの歌に力を借りたいと思った。本当に何回も助けられた曲です」と振り返る。
すると、その年は132試合に出場しオールスターにも選ばれ盗塁王に輝き、ゴールデングラブ賞も受賞した。大輪の花がイッキに開花した。
「曲に感謝ですが、なによりも高校2年の時、ボクの事を心配してくれてこの曲をプレゼントしてくれた親友と出会えなかったら、もう野球をやめていたかもしれないと思う。前を向かないとダメだと曲を通じて伝えてくれた。大事な曲と出会わせてくれた親友に感謝です」
高部はそう言ってグラウンドに飛び出した。大好きな曲の歌詞にもあるように人生、その先はどうなっているかは誰も分からない。色々な分かれ道があって、様々な困難が待ち構えている。出会いや別れがある。それでもやることは一つ。前に進むことだ。だからいつも高部はポジティブに突き進む。今年も7月に月間MVPを獲得するなど復活を印象づけるシーズンではあったが、その後は再び怪我にも見舞われ、決して満足いくシーズンを送ることは出来なかった。来年こそは。高部は契約更改後のメディア対応で「来年はフルで出たい。優勝するという強い気持ちを持って挑み、優勝の輪の中で一番、光り輝くピースになりたい。とにかくガンガンやっていきます」と頼もしい言葉を並べた。もちろん来年もこの大事な曲と共に歩む。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
「ボクにとって特別な曲です。ボクが落ち込んでいる時に野球部の親友が『いい曲があるよ』と、iPodをもってきて目の前で流してくれた曲なんです。それまでレゲエは聞いたことがなかった。最初はメロディーを聞いていたのですけど、そのあと、歌詞を見て聞いて、凄く今のボクの想いに当てはまる曲だなあと思いました」
高部はそう言って、高校時代を振り返った。甲子園出場を目指し野球名門校に進学しながら、なかなか思うような結果が出せず、挫折を味わい苦しんだ高校2年の時。追い打ちをかけるように弟の病気も発覚し、落ち込む毎日を送っていた。色々な想いが交差し悩んだ思春期。真剣に野球をやめることも選択肢として考えた。そんな時に出会ったのがこの曲だった。
「最後の方に『どうしても後戻りはできない』という歌詞がある。そこがボクはめちゃくちゃ好きなんです。ああ、そうやなあと。その時に想った。だからいつもこの曲を聞いていた」と高部。
当初、プロ入り後はあえてこの曲を登場曲には使用はしなかった。しかし、プロ入りから2年。思うような活躍が出来ず、3年目の22年から自身の原点であるこの曲に打席で背中を押してもらうことにした。
その時のことを高部は「ボクにとって大事な曲。心にしまっておこうと思っていた。ただ、最初の2年、全然、活躍が出来なくて、色々と悩んで、やっぱりこの歌に力を借りたいと思った。本当に何回も助けられた曲です」と振り返る。
すると、その年は132試合に出場しオールスターにも選ばれ盗塁王に輝き、ゴールデングラブ賞も受賞した。大輪の花がイッキに開花した。
「曲に感謝ですが、なによりも高校2年の時、ボクの事を心配してくれてこの曲をプレゼントしてくれた親友と出会えなかったら、もう野球をやめていたかもしれないと思う。前を向かないとダメだと曲を通じて伝えてくれた。大事な曲と出会わせてくれた親友に感謝です」
高部はそう言ってグラウンドに飛び出した。大好きな曲の歌詞にもあるように人生、その先はどうなっているかは誰も分からない。色々な分かれ道があって、様々な困難が待ち構えている。出会いや別れがある。それでもやることは一つ。前に進むことだ。だからいつも高部はポジティブに突き進む。今年も7月に月間MVPを獲得するなど復活を印象づけるシーズンではあったが、その後は再び怪我にも見舞われ、決して満足いくシーズンを送ることは出来なかった。来年こそは。高部は契約更改後のメディア対応で「来年はフルで出たい。優勝するという強い気持ちを持って挑み、優勝の輪の中で一番、光り輝くピースになりたい。とにかくガンガンやっていきます」と頼もしい言葉を並べた。もちろん来年もこの大事な曲と共に歩む。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
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